博多日本酒吟醸香

酒と蕎麦 まき野

福岡で本格的な蕎麦を味わい、

日本酒をゆっくり傾けられる粋な店

福岡・天神。福岡三越前交差点を南下し、左の小道を進むと、九州ではなかなかお目にかかれない本格的な蕎麦を食わせる「酒と蕎麦 まき野」がある。2015年秋のオープンから1年ちょっとと短いが、既に博多の蕎麦好きの心をつかんでいる。

江戸っ子のイメージになってしまうが、蕎麦には日本酒が合う。昼間から、蕎麦屋ならではのつまみを肴に冷酒をクイッと呑む。なんとも粋な光景だ。

そんな店にしたくて、店主の牧野良弘さんは蕎麦屋を開いたという。「ゆっくりとお酒を楽しんでもらいたい」。だから、屋号に「酒と蕎麦」の枕詞を付けた。

本格的に蕎麦を打ち始めて2年もたってないと聞いて驚くが、九州ではあまり目にかかれない本格的な蕎麦。喉越しさわやかだ。

牧野さん自身がお酒好き。もともと和食料理人をしていたので、基礎はしっかりしている。一品料理も、満足いく味のものを出してくれる。

だし巻きはふんわり。冷酒を合わせると、スイスイ進む。

日本酒のラインナップも豊富。全国の清酒をとりそろえる。福岡・城島の「比翼鶴」(比翼鶴酒造)や佐賀の「能古見」(馬場酒造場)も。

板わさに合わせたのは、佐賀の純米酒、その名も「アイラブソバ」(佐賀・天吹酒造)。

鰹節もつまみとして酒と相性がいい。佐賀の山廃純米「肥前蔵心」(矢野酒造)の7年古酒。うっすらと茶色をしていて、香りもインパクトがある。

生麩田楽は「まき野別注」という「比翼鶴」で。こちらも古酒だ。

店内は、デザインにも凝っていて、それでいて落ち着いた空間。

酒が進む料理が次々出てくるから、ついつい長居したくなる。

店に長居して、ゆっくりお酒と料理を味わってほしいということで、平日はランチをやらないという。なので、まき野に来店の際は、いすに腰を落ち着けて、心ゆくまで、日本酒と蕎麦と小料理を楽しんでもらいたい。