背中を見せてゆく

吟醸香,薩摩切子,博多

古き良き時代の言葉なのだろうか?

背中を見せていくことで人が育つ。そう言われていた時代は終焉を迎えたのだろうか?最近聞きもしないし、言いもしない。自ら率先して動き、その後ろ姿を見せて何かを感じさせる。その姿に心打たれて、オレもアタシも、ああいうふうになりたい。そんなリーダーシップおよびマネジメントっていうものが通じない時代なのかもしれない。何が時代を変えたのか?何を思って時代は変わったのか?そんなことを掘り下げることはここでは止しておくことにする。

吟醸香,喜多屋,八女

全力投球をしていた全力少年と閃光少女。

一心不乱にだとか、遮二無二だとか、我武者羅にだとか。全身全霊、粉骨砕身な立ち居振る舞いは、ときに人を動かす。たとえ前述のような時代だとしても。我々が務める業界というのは、黙々とディスプレイを見つめながら、会話もチャットでおこない、静かに創造性高い、利便性の高いものを世に出すことを生業としている。そんな普段の仕事をしている部下に、初めて部下がついた。

伝えるために伝えたいこと。

それから数日後。動きが変わった。出社時間ギリギリの出勤時間が早くなった。自分が求める資料を作ってもらうため、レクチャがはじまった。そして改善項目が洗い出され、定量化された目標が設定された。さらに月日が流れ、終わりを知らないブラッシュアップされたアウトプットが世に出ている。

喜多屋,吟醸香,極醸喜多屋

初めて3人で飲んだ夜ー

部下といっても勤務地が違うため、顔を合わす機会を逸していた。ようやく先般はじめて部下と部下の部下、3人で飲む機会があった。食事もすすみ、お酒もはずみ、ある程度時間が経ったとき。部下からのメッセージ。「背中を見せる」ということはできないけど、私が感じたことを、その部下に感じさせることは非効率であり、私が感じた想いを先に伝えることで、その部下が抱く感情を拾っていくことが二度手間にならない教え方なんじゃないかな?という想いで必死で伝えてきた。それが伝わっているんじゃないかなっていう淡い期待が今日現実として初めて受けとめることができた。部下の部下からのメッセージ。「直接会えない」環境だから不安が大きかったけど、言われたことを理解することができないなら失礼だと思うので、知らない言葉があれば、都度調べ、そして自分が感じたことをできるだけ共有することにした。やり方が正しいのかは未だにわからない。でも、できる領域・量は増えているのは実感できる。

背中を見せる,吟醸香,喜多屋

時代は変わる。紡ぐものとは?

この仕事に、この会社に、このお客様に。なくしてはならないかけがえのないものとは何なのか?自動化、機械化、効率化。世の中はホントに便利な世の中になっている。コンビニが便利だと思えば、スーパーの閉店時間が伸びる。車の燃費が向上すれば、こぞって電気自動車やエコカーだという。100円でこんなモノが買える。コスパのいいお店だ。これは喜ばしいことなんだと思う。
ただ造り酒屋であったり、ものづくりに従事する人間として、やっぱりそこにハンドメイドでする価値、人の知恵が意味あるのとして存在するのであれば、それはそれで継承すべきものであり、伝統芸として後世に伝えていかないといけない。

あの2人の笑顔が物語ったもの。

世の中そんなに捨てたもんじゃない。そうであって欲しい。この若手がさらなる成長を遂げるために。我々もまた背中を見てもらえる動きをしていかなければならない。そう、博多日本酒吟醸香の看板も背負い。前へと邁進するのみである。

博多,吟醸香,古き良き時代,全力少年,閃光少女

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