博多日本酒吟醸香

日本酒と蕎麦

日本酒と蕎麦は合わないのか?

上に書いた意見もこの世の中にはあるようなので、此処でも日本酒と蕎麦屋について取り上げてみたいと思う。日本酒を冷で頼み、蕎麦を喰らう。なんとなくそんな日本画であったり、映像を見た記憶があるのではないだろうか?ただ、ざる蕎麦なり盛り蕎麦なりを食べながら、日本酒を飲むということは日常の光景としてあるのだろうか?やはりそばに合う飲み物は、つゆなりかえしになるのではないだろうか?

では何故蕎麦屋なのか?

蕎麦屋には蕎麦屋にしかなかったとされる肴とあてがある。削り節、板わさ、だし巻き卵、鴨料理、厚揚げやはんぺんのあぶりなど。これらは基本蕎麦屋の品書きに書かれているものの材料で手配できるものである。この肴を食べながら、日本酒を楽しんだのである。そして立ち飲みで、あまり長居をすることなく、酒を飲んで蕎麦を食べたら、さっと帰る。今でいうファストフード感覚に近かったのかもしれない。そこで蕎麦前ということばが生まれている。蕎麦を食べる前に軽く酒肴で一杯あてることだ。それこそ池波正太郎の著にも描写のある光景だ。そして天ぬき、鴨ぬきなどの蕎麦を抜いた品々なども、いきといわれる食べ方だ。

いきでいなせなふるまい

いきでいなせな男でありたい。昨今、浅草への出張が増え、江戸の下町文化にふれあう頻度が増えた筆者としては、もっぱら憧れる急上昇ワードである。いきでいなせな。どちらも同じような言葉ではあるが、褒め言葉として、気性・態度・身なりがあか抜けしていて、自然な色気を感じられることだそうだ。足りなければ、野暮(やぼ)。やりすぎると気障(きざ)である。いきでいなせ。日本人の根幹にある格好良さの定義なんだと思う。蕎麦屋で日本酒。日本酒と蕎麦。自然な色気を出せるふるまいを心がけるとしよう。