旭松酒造の蔵開き
4月21日から5月6日(日)まで、福岡県黒木町では「大藤まつり」が開催され、まつりの期間中、「後藤酒造場」と「旭松酒造」では蔵開きが行われている。
「後藤酒造場」につづき、すぐ隣にある「旭松酒造」の蔵開きへ向かった。蔵の横にある用水路には、大きくてキレイなニシキゴイが泳いでいる。水がキレイな証拠だ。「旭松酒造」は、柔らかい水質の地下水で酒を醸すため、さらりとした飲み口だと評判だ。また、米はセイロで蒸すため、米が溶けにくく雑味が出にくい。酒を搾るのは、昭和9年製の油圧式圧搾機。酒の種類によって力の入れ具合を調整する。
入り口には、コイのエサが販売されていた。のどかな光景だ。
さて、中に入ると、年季の入った木造の蔵で、思いのほか広い。蔵開き期間中、絵画展も行われていた。
「旭松酒造」では、全種類試飲ができる。早速端から順に、試飲といきたいものだ。大吟醸、純米酒、旭松の生原酒。生原酒とは、搾ったお酒を火入れして貯蔵した後、濾過し、割り水(加水調整)を行うのだが、割り水をしていないお酒を「原酒」といい、火入れも割り水もしていないものを「生原酒」という。割り水をする目的は、搾ったお酒のアルコール度数は、通常18度から20度ぐらいあるのだが、これに割り水を行うことで、アルコール度数を15度前後に調整する。
大吟醸生原酒は、日本酒度+4、酸度1.4、アミノ酸度0.5。アルコール度数は17度。精米歩合は、掛米40%、麹米50%。フルーティーな香りでしっかりとした濃い味わいだが、飲み口爽やかで飲みやすい。純米酒生原酒は、日本酒度±0、酸度2.2、アミノ酸度1.2。アルコール度数17度。
純米大吟醸は、山田錦使用、精米歩合40%。大吟醸酒も山田錦を40%に磨いて醸した。香り高いのは言うまでもない。
地元。黒木町の巨峰生産者と共同開発した「巨峰リキュール」。巨峰の味わいそのままで、やや甘めのリキュール。
ほどよいつぶつぶ感の残る、米の甘みが感じられる素朴なあまざけは、美味。いろんな蔵で甘酒を飲んだが、旭松酒造の甘酒は、かなり好みの味。これからの季節、夏バテや疲れ対策として冷蔵庫に常備しておきたいもの。
蒸気が上がっているのは、蔵開きの楽しみでもある酒まんじゅう。蒸し上がりを待ち、出来立てをその場でいただいた。ふんわりとやわらかく、ほんのりと優しい甘さで、いくらでも食べられる。
タンクの貯蔵庫には、竹灯籠が。
蔵びらき期間が長いとあって、2つの蔵はのんびりとまわれた。すっかり心地よくなったところで、目と鼻の先にある、国指定天然記念物である黒木の大藤を見に素盞嗚(すさのお)神社へ向かう。