黒木町にて藤まつり

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福岡県八女市黒木町。此の地に藤棚あり。

ゴールデンウィークが福岡県八女市黒木町の藤棚が一番の見頃ということで、早朝ではあるが行ってきた。樹齢600年を超える黒木の大藤は、かつて戦火や大火の際に、損傷を受けていた。そこで酒の粕をその根元に与え、樹勢が回復したという故事に因み、祭りが催されているそうだ。黒木町には、後藤酒造場旭松酒造がある。後藤酒造が手造る金襴藤娘。「今年の藤娘は旨い。」今年幾度となく、杜氏をはじめ、蔵元関係者、酒販関係者から聞いたセリフだ。ただ、まだ口にできていない。ということで黒木町までやってきた。

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老婦が見上げる藤棚。遠くに老紳士。

早朝にも関わらず、人は多かった。おそらくこの時間帯訪れている人の多くは地元の方々であろう。日中となると観光客が多いので、あまりじっくり藤を鑑賞する時間もないため、この時間帯、藤を見ながらゆっくりとした時を過ごしていた。藤の花言葉は、決して離れない。この地を。この老紳士と。離れずに歩む、元気な老婦は、藤と並ぶエネルギーに溢れていた。もう1つ藤の花言葉を挙げると、恋に酔う。紫の花というのはときに艶かしく、そして桜同様見上げると一面に続く藤の花。その傘下に並ぶ以上は、色恋は必然なのかもしれない。

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坂東玉三郎と藤娘。

藤娘。日本酒以外にも大津絵からの歌舞伎の演目も挙げられる。今から数年前、博多座で坂東玉三郎の藤娘を観た。当代一の女形。立女形(たておやま)の坂東玉三郎である。歌舞伎に明るい方ではないが、藤娘の演目、豪華絢爛であり、艶かしくあり美しある型による所作。目を奪われた。そんな藤娘を回想しながら、黒木町をあとにした。

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黒木町の藤まつり。

ぜひこのゴールデンウィーク時間のある方は黒木町まで足を運んでいただきたい。そして美しく咲く藤棚の根幹には、日本酒の酒粕が栄養素として埋められていることもお忘れなく。今宵は藤棚の美しさを肴に。芳醇な日本酒を冷やで口にするとしよう。決して離れられない日本酒に恋して酔うこととする。

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緑と紫のコントラスト。

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見上げる、見据える先は藤の花。

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余談ではあるが、2017年7月1日、2日は、日田市にて坂東玉三郎の藤娘が公演されるとのこと。パトリア日田にて。一応お知らせまで。