いそのさわの箱麹法

いそのさわ流、箱麹法

「いそのさわ」の仕込みは、9月から始まり5月に終える。麹は、ある程度大量に仕込む酒は機械で仕込み、純米吟醸や大吟醸などは麹箱(木製の木箱)を使う。麹の造り方は蔵によって千差万別。早朝蔵へ行くと、麹の仕込みの真っ最中。蒸した米に種麹菌をふり、発酵して温度が高くなった麹をほぐし、麹箱に移す作業が行われていた。一般的な麹造り(製菊)についての記事はこちら

温度が上がった麹をパラパラにほぐしていく。

いそのさわでは、蔵人が大まかにほぐした後、麹切返機で細かくほぐす。

作業ごとに温度チェックを欠かせない。

「麹をほぐすのに機械を使うと均一にできるし、ないより早い。早いと温度の下がりが少なくていいんですよ。今年だったら、温度がのりにくいから機械よりも手の方がいいかもしれない。毎年、米の状況に合わせて道具を変えられないので、できる範囲である道具ややり方を組み合わせて調整していきます」とは現場を仕切る杜氏さんの言葉。

箱に移し、山にしていく。

毎年、驚くほど米の性質が異なる。麹造りは、米に応じたやり方をいかに早く掴むかが重要

「今は箱に移したばかりで麹の温度は32度ですが、夕方には36度まで上がります。夜の8時から9時には40度を超え、40度から45度の間を維持します。温度の乗り方によって、仕切りを広げたり縮めたりして調整し、明日の朝8時前には完成します。

仕込んでから2時間おきぐらいに温度をチェックします。すっと温度が上がるものもあれば、2時間ぐらいそのままのものもある。天窓を開けるなどして、麹菌が予定の温度になるように調整します。最初にうまく調整できないと、温度が上がるのに時間がかかってしまうので、はじめが肝心。最初にうまく進んでくれたら、微調整だけだから楽ですよ」とのこと。最初の状況判断と長年の経験が物を言う。

「酒米の状態はその年によっても、米の品種によっても違います。その年にできた米で1発目の麹を造り、米の特徴を掴んで、微調整していきます。麹で大変なのは、米に応じたベストのやり方を探すこと。それをいかに早く掴むかです。毎年、驚くほど米の性質が違いますから。こうなってほしいという基本ラインがありますが、最初からそううまくはできません。今年の米は、溶けやすくて麹になりにくかった」と長年現場を仕切る杜氏さんの眼差しは真剣そのものであった。

山をならし、布で包む。

ひと通り作業が終了。この後、2時間おきに温度をチェックを行う。1に麹、2にもと、3に造りといわれるほど、日本酒造りにおいて麹造りは重要で、最も気を遣う作業だ。