吉野

予算は1人5000円

おふくろの味に魅了される“大人の隠れ家”

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体がほっとする“おふくろの味”が恋しい方は、福岡市中央区警固の「吉野」がおススメだ。博多の郷土料理、がめ煮をはじめ、かぼちゃ、レンコンの煮物やポテトサラダ、魚の煮付けにアジの南蛮漬け。常時15種類前後のお惣菜がカウンターに並び、お酒は日本酒にビール、焼酎、ワインとそろう。予算は1人5000円。

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オープンは午後5時と早めだが、開店から間もなくすると大勢の常連客らで、席が埋まっていく。「お酒を飲まない人はほぼ来ないですね。皆さん、よく飲まれますよ。最終的には私たちも飲みますけどね」と、店主の森山史子さんは笑う。

「吉野」では、史子さんと、母の坂西恵子さんの二人三脚で料理を作っている。とっても仲良しの母娘。もともと恵子さんが、福岡市の大名や春吉などでやっていた小料理屋を、娘の史子さんが引き継ぎ、2年半前に現在の場所に移転した。ビルの4階とわかりにくい立地ながら、昔ながらの常連が足繁く通う。

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「知らない人は入ってこないですね。お客さんのつながりで、来店される方がほとんどです。20年以上にわたって毎月、仲間と飲み会をされる方もいます」と史子さん。まさに、福岡市中心部にある“大人の隠れ家”である。

オープンと同時に、カウンター席に座ると、次々と大皿にもられたおかずがテーブルの上に乗せられていった。飲み物を頼んで、食べたいものをリクエストしていく。小皿に装ってもらい、ちょっとずつ味わっていく。日本酒は「喜多屋」の銘柄が中心。冷酒でいただくも良し、熱燗にするも良し。昔ながらの家庭の味を肴に、ほっこりした気分になる。

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15種類前後のお惣菜を並べ、その中から食べたいものを選んでもらうのは、恵子さんが築いたスタイル。1人で店を切り盛りしていた関係上、注文を受けてから一つ一つ料理をすると、接客がままならなかったのだ。

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午後7時を過ぎたころには、この日の料理がすべて並び、母と娘はお酒を飲みながら、カウンター越しにお客との会話を楽しみ始めた。「吉野」のこんな日常が、常連客を惹きつける。昔から続いてきた光景。史子さんと恵子さんとの、何気ない会話とおいしい料理、お酒で一日の疲れを癒やすのだ。だから通い続ける。常連客の中には福岡財界のお偉方になっても、足を運ぶ人がいる。

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史子さんが母のお店を手伝っていた時代、常連客から「お店を辞めないでね」と、何度も言われてきた。自分たちの居場所がなくなることを心配する常連たち。一方で、母は体力的にも店を続けるのが難しくなっていた。子育てが落ち着いた時期。史子さんは店を引き継ぐことを決意した。

恵子さんからは「ふみちゃんのお店だから、名前も変えていい」と言われたけど、やっぱり常連客にとって「吉野」という名前が居場所。だから、史子さんは店の場所は移転しても、名前は変えなかった。

「吉野」の名前が残ったことで、結果的に「私の居場所も残ったのよ」と、娘に感謝する恵子さん。お店の中は、店主と料理人という関係でなく、互いを尊重し合った娘と母という関係が続く。だからこそ、店内には家庭的で温かな空気が流れている。

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取材の日、帰省していた史子さんの大学生の娘うららさんが、来店した。せっかくの機会だから、3世代の写真をパチリ。ファインダー越しに、幸せな家族の雰囲気が伝わってきた。

施設名
吉野
住所
福岡市中央区警固2-18-13オークビル4F
電話
092-762-5067
営業時間
17時~23時
定休日
土日祝日
その他
土曜日は予約があれば、開店する場合も。 人気店だから、予約した方がいい。 カウンター最大10席、テーブル最大10席。