食と酒 なかむた

食と酒 なかむた。繊細な料理に合わせて、日本酒は絶妙なお燗で。美味なる酒と料理と贅沢な時間がここにはある

年末である。いくつかの忘年会で楽しいお酒と料理を味わい、1年が終わりつつあることを実感するのだが、年を重ねるごとに忘年会の質も変わりつつある。せっかくだから、ちょっと贅沢に美味しい料理とお酒を飲もうとなるのである。日本酒好きとの忘年会で選んだお店が、「食と酒 なかむた」。薬院駅から歩いて10分ほどのところにある、こじんまりとした店。のれんをくぐると飾らずシンプルな店構えで、店主の人柄がなんとなく垣間見える。テーブル席2席と店主の料理が目の前で見ることができるカウンター席。いつもならカウンター席を選ぶのだが、今回は積もる話もあるので、ちょっと離れつつも、店主とお話ができる距離感の窓際のテーブル席へ。

料理は、お昼のみあるミニ懐石コース。日本酒は店主にお任せである。

まず、はじめに出てきたのが、水菜とイカとこぶ締めタイの柚子ジュレ風味。料理名は雰囲気でしか覚えていないのだが。この料理に合わせて出てきた日本酒が、城島にある旭菊酒造の大地・純米吟醸。糸島県産無農薬栽培の山田錦使用。店主も酒米づくりのお手伝いに行っているとのこと。大地は常温でしか飲んだことがない。なかむたは、日本酒であればたいていお燗で、しかも料理に合わせて温度を微妙に変えつつ出してくれる。やや湯気が出る程度に温められた大地は、ほんのり香りが漂い、口にいれるとほっこりと喉を通り抜けていく。こんな優しいお燗ははじめて。これは間違いなくお酒が進む。最近、吟醸系はやや香りがしんどく感じられることもあったのだが、この大地の純米吟醸は、そんなに香りが強くなく、ほどよい感じであった。旭菊酒造の記事はこちら。大地の記事はこちら

お酒が進むと心地よくなり、当然、饒舌になる。料理を食べつつお酒を飲みつつ、話が盛り上がり笑ってと、ゆっくりと時が流れてゆく。

さて、次は、栗と柿の白和え、鯖寿司、サツマイモの柑橘煮、ワケギの酢味噌、鶏肉ミンチ系など彩よく。これに合わせるのは、旭菊酒造の綾花。さらりと飲める。女性が好みそうな日本酒。それにしても、ひとつひとつの料理が丁寧に仕込まれているので、ひと口ひと口大切に食べては、綾花をひと飲み。最高である。

そして、お造り。タイにカツオに炙り〆サバ。日本酒は福岡から離れて、神奈川県の泉橋酒造の秋とんぼ。明らかに福岡の日本酒の趣と異なるのがわかる。「硬水で造られていますので。この酒は寝かしたほうがコクがでます」と店主がぼそり。米の甘みがすごく感じられた。カツオは割と好きでよく食べるのだが、カツオらしくないカツオというか。いつもより品よく感じられた。醤油は糸島のミツル醤油の生成り。後継者が醤油の樽仕込みを復活させた話題の蔵元。よく生成りの名前は聞くもののはじめていただいた。福岡の醤油にしては甘さ控えめで香りとコクがあるもののさっぱりとした味わい。

こちらは、かぶとサワラをかぶのスープで炊いたもの。こちらは、大地の聖地米仕込みで。

そして、揚げ物はしいたけに海老などのすり身を合わせて揚げたもの。小粒のしいたけが美味。で、合わせるお酒は、大地の原酒。本日は、旭菊酒造の大地、純米吟醸、聖地米仕込み、原酒と3種類をいただいた。

すっかり日本酒と料理でほどよく心地よくなってしまい、肝心な写真を撮り忘れてしまった。土鍋で炊いた粒感のしっかりあるご飯と、おだしの風味が食欲をそそるアオサの味噌汁、そして、手づくり明太子と白菜の漬物と。これは絶品。大げさかもしれないが、胃にも魂にも染み渡った。

そして、デザートで締めくくり。

美味しい料理と酒と仲間と。これらは間違いなく人生を豊かにしてくれるに違いない。

 

施設名
食と酒 なかむた
住所
福岡市中央区平尾1-12-3
電話
092-522-8323
URL
http://nakamuta.com/
営業時間
18:00~24:00 
定休日
日曜
その他
事前予約をするとランチ時間も対応
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