製麹(せいぎく)、麹造りとは?
先日、福岡県嘉麻市にある寒北斗酒造に取材へ行った。ちょうど酒米が蒸し終わり、重さを計った後、麹を造る作業を行っていた。寒北斗酒造については、後日、しっかりと紹介したい。
酒米を蒸す目的は、米の中のデンプンをアルファ化すること。麹菌が米の中に入り込み繁殖しやすくするため、やわらかくすること。そして、米を殺菌すること。ちなみに、蒸米からは、酒造りに欠かせない麹(こうじ)、酒母(しゅぼ)、醪(もろみ)の3種がつくられる。
麹を造ることを「製麹(せいぎく)」という。日本酒の味の決め手となるのは、1に麹、2にもと、3に造り
一般的な麹の造り方は、引込み→床もみ→切り返し→盛り→仲仕事→仕舞仕事→出麹
- 引込み:適度に冷やした米を積み上げる。
- 床もみ:蒸米に種麹を振りかけ、種麹が全体に行き渡るように手でしっかりと米を混ぜる。
- 切り返し:米を積み上げて10数時間すると、麹菌が繁殖して米同士がくっついてしまうので、再び手でほぐす。
- 盛り:麹菌の熱による繁殖の低下を防ぐため、麹蓋や麹箱に盛り分ける。
- 仲仕事:盛りを行ってから6~9時間経過後、水分の発散と酸素の補給のため、よく混ぜ均一に広げる。
- 仕舞仕事:仲仕事後に数時間経過したら、米の温度が上昇するので、再び米を混ぜ、通気冷却しながら米を乾燥させる。
- 出麹:香りと手触りをみて麹が完成したと判断したら、麹菌の繁殖を止めるため麹室から出して冷やす。
麹ができるまでには、丸2日かかる。温度管理が重要なので、寒北斗酒造では、蔵人が泊まり込みで管理を行うそうだ。酒造りの期間は、ずっと蔵に泊まり込みとのこと。
精米・浸漬、麹造りとどれをとっても繊細な作業だ。日本酒を知れば知るほど(といっても、まだまだほんの入り口だが)、日本酒のすごさを思い知る。そして、知れば知るほど、ますます日本酒が美味しくなり、ありがたみが増していくのだ。