生酒、生原酒、無濾過生原酒。違いは何なの?
「生酒と生原酒とでは生酒が本当の生ではなく生原酒が本当の生(そのまま)酒ですか?
生酒(火入れ無し)は本当の生ではない?
本当の生を味わうには、無濾過生原酒ですか?」
こんな読者の質問が博多日本酒吟醸香に寄せられました。
生酒がどんどん登場する冬場のこの時期。
調べてみると、けっこう生酒の勉強になります。
せっかくですから、質問に関する回答をそのまま掲載したいと思います。
生酒、生原酒、無濾過生原酒の違いについての回答
>生酒と生原酒とでは生酒が本当の生ではなく生原酒が本当の生(そのまま)酒ですか?
私が懇意にしている日本酒蔵の方に聞いてみました。
結論を申しますと、生酒も、生原酒も、本当の「生」です。
ご存知かもしれませんが、一般的に「生酒」と言われるものは、火入れをしていない日本酒のことを言います。
そして「生酒」は、3つに分類されます。
順番に「無濾過生原酒」「生原酒」「生酒」です。
無濾過生原酒は、しぼったままの原酒です。
つまり、もろみのしぼりたての味というわけです。アルコール度数も17~18度ぐらいと高めです。
そして、無濾過生原酒をフィルターなどで濾過して不純物を取り除いたものが、生原酒になります。
酒蔵によると、一般的に濾過をすると、お酒のアルコール度数が0.5度前後下がるそうです。
酒税法上、アルコール度数の下がりが0.9度以内に収まっていれば、「生原酒」と呼べるとのことです。
そして、1度以上、アルコール度数が低くなった場合は「生原酒」とは呼べず、「生酒」と表記しなければならないとのこと。
「無濾過生原酒」や「生原酒」はアルコール度数が17~18度ぐらいと、やや高めなことが多いですから、蔵によっては原酒に水を加えて度数を下げて、15度ぐらいに調整します。
これは「生酒」になります。
ただし、蔵によっては、実際には「生原酒」であっても、「生酒」のシールを瓶に貼って、販売しているところもあります。
なぜなら、「無濾過生原酒」も「生原酒」も、広い意味では「生酒」であることは間違いないわけですから。
蔵それぞれで違いますから、手元にある日本酒が「生酒」なのか「生原酒」なのか、気になるようでしたら、製造元にたずねてみられたらと思います。
>本当の生を味わうには、無濾過生原酒ですか?
「本来の生」が、しぼりたてそのままの味わいという意味でお考えでしたら、無濾過生原酒と言えると思います。
個人的に、「究極の生」といいう意味では、酒蔵のサーマルタンクに入った絞る前の酒が、本来の生かなと思ったります。
なかなか酒蔵以外の方が呑める機会はないですけど。
酒蔵見学に行って、運が良ければ、呑めるかもしれません。