冬は、熱燗に限る
酒造りが本格化している12月。寒い寒い冬は、熱燗が旨い。とはいえ、アツアツの鍋に冷酒もやめられない。日本酒の種類にもよるが、燗をつけると、あきらかに旨味香りが増す気がするのは気のせいか。
日本で熱燗が飲まれるようになったのは、平安時代から
そもそもお酒を燗につけるという行為は、中国4000年の歴史にあるという。その中国の文化の影響を受け、日本で日本酒の燗で飲まれるようになったのは、平安時代からだそうだ。新しものの貴族たちが飲み始めたのがきっかけだったとか。そして、1年を通じて燗酒を飲むようになったのは、江戸時代になってから。むしろこの時は、ひやより温めて飲む日本酒が一般的だったそうだ。
30~45度はぬる燗、50度前後はふつう燗、55~60度は熱燗
通常、燗酒は、30~60度で飲む。細かく言うと、30~45度はぬる燗、50度前後はふつう燗、55~60度は熱燗となる。ちなみに、人肌は43~45度。
一般的に燗に向く酒は熟成した純米酒。濃厚なタイプや山廃造りなどコクのあるタイプは燗におすすめ。コクの成分はというと、乳酸やコハク酸を示し、これらの成分は燗にすると旨味が引き出される。それに対し、大吟醸などの香りが特徴の酒は、クエン酸を多く含むため、一般的には燗つけに向かないといわれている。
燗のつけ方は、とっくりを鍋に入れて温めるが定番だが、レンジでチンも便利
一般的な燗のつけ方は、とっくりに酒を注ぎ、水を入れた鍋にとっくりを入れ、火にかけ、好みの温度にする方法だ。または、小鉢に熱湯を注ぎ、その中に酒を注いだちょこを入れる方法もある。手っ取り早いのが、電子レンジでチン。温度によって、旨味や香りが異なるので、同じ酒でも温度を変えて飲むと思わぬ味わいに遭遇するかも。