暑い夏にさっぱりとした酸味と喉越し。純米酒の味わいがしっかりと残る、杜の蔵「しそ梅酒 純米酒仕込み」
梅雨があけると、本格的な夏が到来する。暑い夏におすすめのお酒が、酒どころ城島にある「杜の蔵」の「しそ梅酒」。杜の蔵といったら、日本酒を熟成させた「独楽蔵」や繊細な味わいの「杜の蔵」の銘柄で知られる酒蔵だ。
杜の蔵のある城島(久留米市城島町、三潴町を中心とする地域一帯)は、昔から稲作地帯で、江戸時代から明治時代にかけ、酒蔵がたくさんあった。酒粕は、蒸留してアルコールを除いた後、田んぼの肥料として活用していて、それがまたいい肥料になったという。その除いたアルコール部分は、もったいないので、粕とり(さなぼり)焼酎として各農家で飲まれていたそうだ。しかし、自家醸造が禁止され、このさなぼり焼酎を残していこうと、明治31年、杜の蔵が誕生した。明治38年からは、日本酒も手掛けている。
福岡県産の南高梅と赤紫蘇を純米酒に漬け込む
杜の蔵の「しそ梅酒」は、福岡県産の南高梅と赤紫蘇を純米酒に漬け込んだもの。
グラスに注ぐと、淡い赤みを帯びた色。梅酒と思って飲むと、全くの別物である。はじめに、純米酒の味わいが思いのほかしっかりとしていて、後から爽やかな赤しそと梅の風味がやってくる。梅酒はどうしても甘ったるさが口に残るのだが、このしそ梅酒は、甘さが相当控えめで、さっぱりとした味わい。正直、甘さが全く気にならない。それこそ、暑い夏に飲みたくなるような酸味感が絶妙だ。
青梅は梅酒に、黄色く熟したら梅干しに
6月上旬、大粒の梅をいただいたので、つくった梅酒。昨年は、大吟醸で梅酒を仕込んだのだが、毎年そんな贅沢はできないので、ホワイトリカーと氷砂糖で。大吟醸の梅酒の記事はこちら。
青梅が黄色く熟したら、今度は梅干しにする。6月中旬に仕込んだ梅干しに。ヘタを取って水洗いし、水気を取る。減塩で漬けるので、水気を取った梅は焼酎にまぶす(塩分が控えめなので腐敗しないように)。そして、1キロの梅に対して、120gの塩で漬ける。重しをすると、1、2週間で水分が出てくる。これが、梅酢。梅を取り出して2,3日、天日で干す。
塩でしっかりもみ込んだ赤紫蘇は、梅酢をまぶすとアクが取れて、赤く発色する。この赤紫蘇と干した梅を合わせ、梅がひたひたになるまで梅酢を入れて、重しを置く。秋か冬には美味しい梅干しが完成するはずだ。
梅酒に赤紫蘇を加えただけでは、あんなにさっぱりとしたしそ梅酒ができるとは思わないが、来年あたり、挑戦してみたいものだ。