勝屋酒造 その2

宗像大社のご神酒を造る蔵

宗像大社のご神木である楢の木からお名前をいただいたのが、「楢の露」

「宗像大社のご神酒を造るようになった経緯はよくわからないのですが、おそらく、明治時代ではと思います。宗像大社のご神木である楢の木の傍らに「永代献酒」という碑があり、歴史を物語っています」。

「『楢の露』は、明治ぐらいから現在に至るまで、普段使いできる定番酒になっています。ご神酒ということで、特に宗像の方に親しみを持っていただいています。宗像大社に来られた方や信仰されている方にも好まれていて、わざわざお店まで足を運んでいただく方もいるほどです」。

宗像大社の大島・中津宮のご神水を加えた「沖ノ島」

「沖ノ島」は、宗像大社の宮司さんから許可をいただき、造りはじめたのが、40年ほど前のこと。「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が、7月9日ようやく世界遺産に登録され、同時に注目が高まっている。「沖ノ島」は、純米酒、吟醸酒、本醸造の3種ある。

「『沖ノ島』は、沖ノ島のお水はいただくことができないので、大島の中津宮の境内に、ご神水である『天真名井(あめのまない)』いう湧き水がありまして。仕込み水として全量はいただけないので、御しるしとして少し、気持ち程度に入れています。米は、すべて福岡県産米です。吟醸酒には山田錦100%、本醸造と純米酒には夢一献などを使用しています。

お酒好きの方には、山田錦を60%削った吟醸酒がおすすめです。純米酒と本醸造は酒米を70%削っています。以前、65%にしたこともあるのですが、お米の味と言うか、みなさんに飲んでいただくには、70%が飲みやすく、手ごろな値段ということで、落ち着きました」。

「沖ノ島」は道の駅むなかたなどで販売中。お土産に購入する人が増えているそうだ。

余談だが、ご神水である「天真名井」は、御嶽山からの湧き水で、境内入り口付近にある「天の川」と呼ばれる川の水となる。「天の川」ということで、大島は七夕伝説発祥の地と言われている。

年に一度、蔵開き時には宗像産酒米の生産者別に特別純米酒を造り、飲み比べが楽しめる

「使っている酒米は、100%福岡米。酒造組合で共同購入しています。一部、宗像で作っていただいているものもあります。宗像では、山田錦が2軒、福岡県が開発した夢一献が1軒と。

せっかくなので、それぞれの米を60%に磨いた特別純米酒を毎年造るんです。蔵開きの時に販売するのですが、同じ造りでも、米の種類によっても、生産者によっても味や香りが異なります。改めて、日本酒は不思議でおもしろいと思います。こういった試みができるのも、小さな蔵ならでは。うちは、仕込みを6人ほどで行う小さな蔵。小さな蔵だからこそできることがあると思っています」。

貝原益軒が愛用した薬草酒を再現した「養生訓」

ちょっと変わったお酒を教えて頂いた。ラベルには、「福岡の賢人貝原益軒の酒 養生訓」とある。貝原益軒は福岡・黒田藩士の五男として誕生し、江戸時代の儒学者であり本草学者。平均年齢が40歳ほどであった時代に、84歳の長寿を全う。その健康維持の秘訣を説いたのが、「養生訓」だ。

「貝原益軒にしても奥様にしても、病弱だったそうですが、とても長生きしています。自身が飲んでいた薬草酒のレシピを再現したいと頼まれ造りました。タイソウ(ナツメの実)、コウカ(ベニバナの花)、オウセイ(ナルコユリの根)、ケイヒ(シナモン)、ハコシ(オランダビユの種子)、サンシシ(クチナシの果実)と7種類の薬草を原酒に漬けこんでいます。薬草は、このお酒を造りたいとご相談いただいた漢方の薬局の方に調合していただいています。養命酒はご存知でしょうか?養命酒はみりんがベースですが、こちらは日本酒がベース。お客様からは、まろやかな味で飲みやすいと言われています」。

生薬を使った酒は、食欲不振、疲れ、肩こり、冷え性、虚弱体質の人に適していて、寝る前に飲むのがおすすめだとか。

その他、「赤間宿」、「神郡宗像」、「宗像のちから」など地元に根付いた銘柄も

勝屋酒造の銘柄は、赤間宿、神郡宗像、宗像のちからなど地元にちなんだものが見られる。

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赤間宿にしても観光がしやすいように整備されつつあるのだが、勝屋酒造の蔵や酒そのものが、今後もこの街の歴史を物語っていくに違いない。

施設名
勝屋酒造
住所
福岡県宗像市赤間4丁目1-10
電話
0940-32-3010
URL
http://www.katsuyashuzo.com/
営業時間
9時~17時
定休日
不定休