福岡県で一番古い酒蔵、大賀酒造で秋の蔵開き
延宝元年(1673年)、創業。福岡県で一番古い酒蔵と言われているのが、福岡県筑紫野市二日市にある大賀酒造だ。万葉集にも歌われた歴史ある二日市温泉のすぐ近くにある。
10月14、15日に秋の蔵開きが行われ、早速行ってきた。
13時過ぎに到着すると、もうすでに日本酒片手につまみ持参で、盛り上がる人、人、人の山。蔵の外で座り込んで飲むお父様方の姿もあり、みなさん、やや赤みを帯びつつも陽気に笑い合い、幸せそうな顔をしていた。やはり、蔵開きはこうでないと。私も地元の知り合いの蔵でよく蔵開きの手伝いをするのだが(昨年は人手不足とのことで、蔵開き前の何か月間か、土曜日だけ瓶詰作業の手伝いに通っていた)、みなさん、よく飲んで食べて笑う。毎年来ている常連さんもいるので、「今年は、この酒の出来がいいね」という話を聞きつつ、その一番評判のいい酒を買って帰る。
入り口でぐい呑みを購入し、蔵の中へと続く列に並んだ。
1列に並び蔵の中を進んでいくと、ところどころにスタッフがいて、酒を酌んでくれる。
1杯目は、「玉出泉 爽冷純米」。夢一献を65%に磨いた純米酒。爽やかな飲み口。
2杯目は、「純米ひやおろし」。春先に搾り、蔵で貯蔵したもの。
熟成され、まろやかみを帯びている。先ほどと同じく夢一献を65%磨いた純米酒だが、全く味わいが異なった。どちらかと言えば、こちらが好み。
3杯目は、「しぼりたて生原酒」。
一度も火入れせず、生の原酒。生だけあって、一番フルーティーさが口の中に広がる。
4杯目は、「玉出泉 純米吟醸」。やや辛口だが、吟醸酒だけあって香り高い。
4杯の日本酒をいただいた後は、甘めの梅酒を3種。
大宰府の梅を本格焼酎に漬け込んだ「東風の梅」、マンゴー果汁と合わせた「マンゴー梅酒」、甘酸っぱくて飲みやすい「ぶどう梅酒」と。このあたりは、ジュースのように飲みやすいので、飲み過ぎに注意が必要。
小さなぐい呑みとはいえ、7杯も飲むと心地よい気分になった。酒蔵で出来立てを、しかも昼から飲む酒は格別。
7杯飲み終わると蔵の外へ。蔵の出口には、仕込み水が用意してあった。まろやかでスキッと飲みやすい水。ひとまず、休憩を。
蔵の外には、有料の試飲もあった。せっかくなので、一番いいというか、値段の高いお酒を。「大吟醸原酒 筑紫野 斗瓶取り」。山田錦の精米歩合は38%。酒袋に入れ搾る雫搾りしたものを、半年冷蔵庫に入れ低温発酵させた。品のよい吟醸香がふわっと漂い、いただいてみるとサラッと水のような清らかな喉越し。たくさんは飲めないが、最後の締めにふさわしい酒だ。
米の収穫がそろそろ終わるこの季節、蔵では酒造りが本格稼働する。出来立ての酒を楽しむなら、ぜひ蔵開きへ。11月12日(日)喜多屋による「蔵開き 新酒まつり2017」、11月11日(土)、18日(土)には、瑞穂錦・有薫・比翼鶴・筑紫の誉による「第5回 城島郷 酒街道をゆく」など、早くも蔵開きが開催される。
- 施設名
- 大賀酒造
- 住所
- 福岡県筑紫野市二日市中央4-9-1
- 電話
- 092-922-2633
- URL
- http://www.ogashuzo.com/