「繁桝」の高橋商店

辛口にこだわる「繁桝」の酒蔵

吟醸香、繁桝、箱入娘、日本酒、博多

高橋商店と言われてピンとこなくても、「繁桝(しげます)」と聞けば、福岡の日本酒好きはみんな知っている。そして、「繁桝っていいよね」と言っている人は、辛口のお酒が好みなのかもしれない。

高橋商店は江戸時代の享保2年(1717年)に創業。福岡県八女市で300年にわたって酒造りを続けている。「繁桝」という酒の名前は、10代目の高橋繁太郎氏から来ているそうだ。現在は19代目の中川拓也社長が蔵の経営の舵取りをしている。

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中川社長は高橋家の娘婿。ゼネコンでトンネルを掘る仕事から、3年前に日本酒業界に転身した。そんな異業種からやってきた社長が見る、自らの蔵の特徴とは「人」だと言う。

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3代前の杜氏が今の酒質の基礎をつくったという。酒質にとくにこだわるようになったのは、30年ほど前。当時の日本酒人気を象徴する「淡麗辛口」の新潟の酒蔵を視察したことがきっかけだったという。

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もともと麹造りでは定評があった蔵。腕試しでつくった大吟醸の「箱入娘」は日本航空(JAL)のファーストクラスで取り扱われるほど、高評価を受けた。その味は、今の蔵人たちが、プライドを持って受け継ぐ。ことしは杜氏も大幅に若返り、44歳、山科博昭杜氏が酒造りを仕切っている。

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九州の日本酒のイメージは「甘い」と見られがちで、実際に甘口の酒は多い。でも「繁桝」は「辛口」にこだわる。

「世の中の流れは甘口に向かっています」と中川社長。鑑評会で好まれる味も、時代の流れを感じるという。でも、安易に流されたくない。「日本酒ブームと言われますが、『ブームなんて関係ない、繁桝の酒が好きだから飲むんだ』という方たちに、ずっと飲んでもらいたい。だから辛口にこだわるのです」

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中川社長は「うちが生き残っていくためには、福岡の地酒と言えば、繁桝という存在にならなければなりません」と力を込め、こんな逸話を紹介してくれた。

20代の若者がたくさん並んでいる日本酒の銘柄を見て、どれを選んでいいのかわからなかった。そんな時、「とりあえず、繁桝と言っておけば、舐められないよ」との声が出たという。中川社長は「この話を聞いた時、本当にうれしかったですね」と頬を緩めた。

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福岡の酒は繁桝、そして繁桝と言えば辛口。日本酒を愛する誰もが想像できる、酒造りを目指していく。

住所
福岡県八女市本町2−22−1
電話
0943−23−5101
URL
http://www.shigemasu.co.jp
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