若竹屋酒造場

風情漂う元禄蔵で、個性豊かな酒を試し飲み

福岡県久留米市田主丸町にある巨峰ワインのワイナリーから車で10分ちょっとで、若竹酒造場へ到着した。若竹屋酒造場の初代である若竹屋伝兵衛氏が酒造りを始めたのは、元禄12(1699)年とのこと。300年以上前から、この地で酒造りが行われ、今もなお受け継がれている。

創業当時、300年以上前に建てられた蔵

若竹屋酒造場の一角に、元禄蔵がある。なんと、蔵を開いた元禄12年に建てられたものだ。けして古ぼけてはなく、むしろ凛とした存在感漂うその佇まいに、入る前から少々圧倒されてしまった。この元禄蔵の中では、蔵を開いた先人から今に至るまで、どれだけの人間が酒造りを通じて喜びや苦労をともにしてきたのだろうか。現在は販売所になっていて若竹屋の酒が試飲できるのだが、酒と同時にこの蔵の雰囲気に思わず酔いしれてしまう。

入ってすぐ右には冷蔵庫があり、生原酒が並んでいる(酒を選ぶのに夢中で、撮影をし損ねてしまった)。まるでワインのようなラベルの酒は、Debut(デビュー)という銘柄の酒で、明治時代に日本ではじめて採取された清酒酵母サッカロマイセス・サケを使用。今更ながらちょっと気になる酒だ。

また、博多練酒という酒もあった。とろりとした甘酸っぱいヨーグルトの風味がする酒で、乳酸発酵を主体とし、室町時代からつくられ豊臣秀吉が愛飲していたと伝えられている。文献を見ながら室町時代の酒を再現したそうだ。

蔵の奥には、関連本などもある。

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創業した元禄時代の味を再現             若竹屋伝兵衛 馥郁元禄之酒。

博多練酒と同じく再現した酒。「元禄時代に記された製法を忠実に再現した純米古酒。玄米より近い米で造られ、色は琥珀色で、味は甘・酸・辛・苦・渋の五味が程よく溶け合い酒の旨味を出しています」と説明の紙が添えられていた。実際にいただいてみると、色は、キレイな琥珀色。

香りはというと、今まで飲んだ日本酒とは趣の異なる独特の香り。近い香りがあると思うのだが、いろんな酒に精通してないため、例えが出てこない。口に含むと、はじめはやや酸味を感じるものの、複雑でありながら柔らかさも感じる。しかしながら、香り同様、独特の味わい。ロックがおすすめで、チョコレートにも合うそうだ。米と米麹使用で、アルコール度数は17度。

杜氏の名が付いた、美山錦純米 横尾

興味深かったのだが、残念ながら720mlは売り切れのため、断念。

巨峰物語(本)によると、研究所の土地を提供した若竹屋12代目林田博行氏は、伝統の酒造りに没頭しながらも、新しもの好きで、パイオニア精神に満ちあふれていたそうだ。また巨峰ワインを完成させた若竹屋13代目の林田伝兵衛氏は、単身でフランスに渡り、巨峰に合った酵母を探し当て、頼み込んで分けてもらったとある。それに加え、今まで紹介した個性的な酒からも、古き良きものを敬いつつ、新しいモノをつくりたいというチャレンジ精神を若竹屋酒造場からひしひしと感じた。今現在の若竹屋酒造についても、近々話を聞きに再度訪れたいものだ。

 若竹屋を代表する酒、純米吟醸 渓。

「元禄蔵で1番人気で、若竹屋を代表する酒。軽やかで柔らかな喉ごし、すっきりとした飲み口は日本酒の良さをすべて表現しています。食中酒には最適です」とのこと。実際に飲んでみると、口に入れた瞬間ほのかな甘みを感じつつも、後口さっぱり。

爽やかな酸味を持つ、純米 座。

「夢一献を68%磨いて醸した酒。どっしりと力強く、きめ細かい酸味がお酒の旨味を出しています」との説明通り、爽やかな酸味をしっかりと感じつつも、ふくらみのある味わい。

今回、実際に買って帰り飲んでみたのは、若竹屋伝兵衛 馥郁元禄之酒、純米吟醸 渓、純米 座の3種類。車でなければ、気になる酒を少しずつ試飲して、これぞというものを買って帰りたいものだ。

若竹屋酒造場(元禄蔵)

住所:福岡県久留米市田主丸町田主丸706

電話:0943-72-2175

営業時間:9:00~17:00