白糸酒造の甘酒

ハネ木搾りでゆっくりと搾る

福岡の糸島半島に、全量昔ながらのハネ木搾りを貫く白糸酒造がある。ハネ木搾りは、てこの原理を応用し圧をかけて搾る方法で、酒粕の雑味のないふくよかな酒ができるという。しかし、手間がかかりすぎると多くの酒蔵が手放したのだが、安政2(1855)年の創業以来、わき目も振らず受け継いできた。

田中六五

ここ数年の注目は、何といっても8代目が造る田中六五だ。その名の通り65%に磨いた山田錦で造った酒で、地元福岡のみならず全国にファンを持つ酒になりつつある。今年は、生も火入れも飲む機会に恵まれた。香り口当たりともに柔らかでさらりとしているので、家でゆっくりと楽しもうと思っていたのだが、思いのほか飲みやすくアッという間になくなってしまった。白糸酒造の酒の話もせねばならないのだが、ここの甘酒がこれまたすごい。ということで、今回は甘酒の話を。

つぶつぶ、さらり。飲みやすい甘酒

 

なにがすごいって、このつぶつぶ感。米麹の粒がそのまま残っていて、しかも甘ったるくなく、飲みやすい。甘酒は、一般的に冬に温めて飲むイメージが強いのかもしれないが、私は断然キリリと冷やして夏にゴクゴク飲む派。

酒米でつくった麹と仕込み水のみ

甘酒は、ビタミン類・アミノ酸・ブドウ糖など豊富な栄養素を含んでいるので、飲む点滴といわれ、体内をきれいにし元気にしてくれる優れもの。甘酒には、酒粕で造る甘酒と麹でつくる甘酒があり、地域や家庭によっても千差万別。酒と名が付くものの、もちろんアルコールは入っていない。甘さを増すため、麹に米やもち米を足してつくる甘酒もあるそうだが、白糸酒造の甘酒は、福岡県産米の酒米でつくった麹と仕込み水だけでつくる。だからこそ、甘すぎずさらっとしていて飲みやすいのだ。

おばあちゃんから受け継ぐ味

白糸酒造では、蔵開きの時にお客様に甘酒を振る舞っていた。甘酒を飲んだお客様から「買って帰りたい」とのことが高まり、販売をはじめたのが約20年前のこと。甘酒は豊富な栄養素を含み身体にいい。健康づくりのために毎日続けて飲んでいただくためにも、とにかく目指したのは「飲みやすい甘酒」。それに加え、酒造りは冬に行われるので、蔵人たちの身体を温めるために蔵の女性陣がつくっていた、昔ながらの味わいだ。

ずっと続かないと、本物ではない

甘酒は、夜に仕込んで朝一蒸しあげたら完成。当時、三人の息子さんも学校から帰って仕込みの手伝いや、休みの日には瓶詰の手伝いなど、家族総出で行っていたそうだ。また、大変だったのが、賞味期限をのばすための温度管理や瓶詰めなど。今でも賞味期限は約6週間。封を開けたら2週間で飲み切るのが目安。必ず保管は冷蔵庫で行うこと。

 

いちご甘酒はいかが

もちろん、そのままで美味しいのだが、気分を変えたいとき、いちご甘酒はいかが。大きめのコップに、凍らしたいちごと甘酒を入れて、ハンドブレンダ―で混ぜるだけ。スムージーのように少しシャリシャリの食感も楽しめる。子どもも喜ぶこと間違いなしだ。

いちご以外にも、バナナやヨーグルトとの相性も抜群。

 

子どもも大好き!甘酒と牛乳のゼリー

「甘酒の隠し玉を」とお願いしてつくっていただいたのが、甘酒と牛乳のゼリー。甘酒と牛乳を温めて、ゼラチンを入れて固めるだけ。もっと甘味が欲しい場合は、コンデンスミルクをプラス。デザートにしてもおいしい。

 

今年の夏もお世話になります!

食欲が出ないときや、お腹がスッキリしないとき、手放せないのが甘酒だ。それに、無性に飲みたくなることがある。知らず知らずのうちに、たまった疲れを吹っ飛ばしてくれているのかもしれない。今年の夏も、お世話になります!どうぞよろしくお願いいたします!

白糸酒造には、販売所もある。もちろん甘酒も購入できる。毎月、月初めに送る甘酒定期便も人気。

住所
福岡県糸島市本1986
電話
092-322-2901
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