筑後川のエツ。エツ漁解禁は、5月1日から7月20日まで
エツ?初めて聞く人もいるかと思うが、かまぼこの原料として知られるエソのことではない。エツとは、漢字で書くと「斉魚」と書いてエツと呼ぶ。ニシン目・カタクチイワシ科の魚で、個人差はあるが、手を広げたぐらいの長さの魚。大きいものだと、40センチほど。酒どころ城島と言ったら、福岡県久留米市の城島町・三潴町・大善寺町あたりを指すのだが、先日蔵開き取材に行ったところ、町の至るところに「城島エツ祭」の旗がたなびいていた。
エツは、有明海のみで棲息。筑後川流域でしか食べられない幻の魚。刺身、唐揚げ、煮付け、姿寿司など、地元の酒と味わいたい
エツは、中国や韓国でも棲息するそうだが、日本では有明海のみに棲息し、産卵のために筑後川を遡るという。筑後川では、エツ漁が解禁になるのが、5月1日から7月20日まで。エツは、この時期に、筑後川流域でしか食べられない貴重な魚だ。そんな話を聞いてしまったのであれば、食べてみないわけにいかない。
ということで、取材先の蔵元さんに聞いたところ、近くのスーパーや直売所でも販売しているという。ということで、取材帰り、直売所に寄ってみた。一目散に魚売り場へと行くと、エツがいました!これこそが、エツ。
エツは小骨が多く、ハモのように骨切りが必要
刺身の場合は、体調30センチほどの場合、両面で400回ほど骨切りをするそうだ。料理法は、刺身、唐揚げ、南蛮漬け、煮付け、姿寿司など。酒どころ城島では、エツが食べられる飲食店がいくつかあり、お店の前にエツ料理の旗がはためくお店もあった。エツ料理は、事前予約が必要な店もあるので食べたい方は要確認を。
エツの唐揚げは、頭からバリバリと丸ごと食べられる。これは、お酒とともにいただきたい。
エツが気になる方は、6月24日(日)10時から15時まで、福岡県久留米市城島町の六五郎橋下で、「第15回城島エツ祭」が開催される。様々なエツ料理に加え、地元の特産品販売、エツの骨切り体験、投げ網体験などの体験コーナーもある。幻の魚エツを味わいに、城島へ足を運んでみてはいかがだろうか。
車を走らせていると、田植えの真っ最中だ。来年の日本酒の味を左右する米である。