ほっこり二日市温泉

温泉が恋しい季節到来。二日市温泉に光明禅寺

福岡県筑紫野市二日市にある大賀酒造までせっかく来たので、近隣をぶらりと立ち寄ってみることにした。まずは、歩いて10分ほどのところにある二日市温泉へ。

二日市温泉は、夏目漱石が新婚旅行に訪れた温泉。

日本で初めて新婚旅行に行ったと言われているのが、坂本龍馬と妻おりょうだ。まだ、新婚旅行などという発想の無い時代、慶応2年(1866年)に鹿児島県の霧島を旅した。日当山温泉、塩浸温泉、霧島温泉など温泉に浸かりくつろぎ、高千穂登山や霧島神宮参拝などを楽しんだそうだ。

最古の和歌集である奈良時代の「万葉集」、平安時代の「古今和歌集」などで歌われている二日市温泉には、数多くの文人が訪れている。明治29年(1896年)、夏目漱石が新婚旅行で訪れた。「温泉(ゆ)の町や踊ると見えてさんざめく」の歌碑が残っている。

温泉でほっこりしながら、仲睦まじく過ごしたに違いない。羨ましい限りである。

多くの文人が愛した二日市温泉の泉質はアルカリ単純ラジウム泉。やや高温で、これぞ温泉というぐらいに硫黄の香りがしっかりとして、肌に吸い付くようなしっとり感がまたいい。

昔ながらの名旅館もあるのだが、立ち寄り湯なら、博多湯や御前湯へ。

「天然温泉 博多湯」は、源泉掛け流し。地下260mから汲み上げる源泉を用い、加水・加熱を行わないという。泉温43.8度という高温でラドンを多く含むお湯。

「博多湯」と向かい合うようにしてある公衆浴場「御前湯」は、入浴料なんと200円。この2つの温泉を、はしごするのもいい。私自身、田舎にある地元の人間のためにあるような、ひなびた公衆浴場も好きなのだが(できれば木造、休憩所でまったり過ごせると尚よい)、こんな街中にありながらも、この値段には驚かされる。

これからの季節、恋しくなるのが温泉だ。温泉で身体も心も温まった後は、旬の美味しい料理と日本酒といきたいものだ。

大賀酒造の美味しいお酒と温泉で身体が浄化された後は、きれいな景色に身を置きたい。まだ紅葉には早いのだが、特に紅葉の時期が美しいと言われる光明禅時へ。太宰府天満宮からすぐのところで二日市温泉からだと車で約15分。

太宰府天満宮は数えきれないほど行ったけれど、光明禅寺は初めて。なぜ今まで行かなかったのか。苔庭のため息ものの美しさ。

姉が5年ほど京都に住んでいた時期があり、年に2回ぐらい遊びに行っていた。春の桜に、秋の紅葉と、いろいろなお寺を自転車でまわったものだ。それにしても、福岡にこんなにも美しい庭があるなんて、正直驚いた。恥ずかしいけれど、知らなかった。

門をくぐってすぐ見える前庭は、福岡では珍しい枯山水の仏光石庭。お寺の中に入り、奥に進むと「わー!ここキレイ。すごい」と思わず声が出てしまった。先客が数人いたのだが、声を発することなく、その場に座り、ただただ庭を眺めていた。時が止まったかのように。

裏庭は、苔で陸や島を、白砂で水や大海を表現しているという一滴海庭。紅葉もきっと美しいと思うのだが、降っているのか降っていないいのかぐらいの雨に濡れ、艶っぽい緑が美しい。今日が初めてでよかったのかもしれない。撮影禁止のため、心の中にとどめておく。

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宝満山の麓にあるの、えんむすびの神様で知られる宝満宮 竈門神社。

天気が良ければ、宝満山に登ってから二日市温泉に浸かり大賀酒造の蔵開きに行く予定だった。宝満山は九州でも人気の山だが、山伏の修験道の聖地として知られ、古くから信仰の対象としてあがめられていた。宝満山の麓にあるのが、竈門神社。ここから山に登る人が多い。主祭神は、玉依姫命(たまよりひめのみこと)。

紅葉の見ごろは、11月中旬から下旬で、11月15日(水)から12月3日(日)までは夕方から21時ごろまでライトアップされる。

竈門神社の帰り道は、鶴乃子で知られる石村萬盛堂の太宰府工場店へ。上品な味わいの献上鶴乃子。

竈門神社から車で5分もしないところにあるのが、石村萬盛堂の工場。工場には併設された直売所があるので立ち寄ってみると、工場ならではのお買い得な「献上鶴乃子」が。献上鶴乃子は、通常の鶴乃子と餡が異なり手練りの餡とのことで、皇室・宮家へ献上しているそうだ。いつもあるわけではなく、時々しか出ないとのこと。なんとも運がいい。もちろん、お土産に買って帰った。

最近、酒蔵を起点に近隣を巡っていると、訪れたことのある場所なのに、新たな発見が本当に多い。酒蔵から巡る地域の姿は、新鮮でやや成熟した大人の気配が漂っている。さあ、これからも気合を入れて、酒蔵を巡りたいものだ。