酒肴と野菜ソムリエ

筑後の9つの酒蔵が一堂に会したイベント「第3回筑後七国酒文化博」が4月8日の土曜日、九州新幹線筑後船小屋駅前の九州芸文館で開かれる。酒文化博を前に、イベントにかかわる人たちを紹介するシリーズ2回目は、お酒に合う料理を地元素材で作り、来場者に提供する野菜ソムリエの話。彼女も福岡の地酒を愛してやまない。

筑後はおいしいお酒も、肴になるおいしい食材も豊富

野菜ソムリエ 貝田輝子さん

吟醸香、野菜ソムリエ、貝田輝子、九州芸文館

農家に嫁いで36年。福岡県筑後市でトマトを栽培しています。筑後は福岡でもトマトの一大生産地なんですよ。

農家は忙しいんです。私、昔は「ハウスの嫁」と言われるぐらい、外に出ることがなかったんです。でも、自分の時間は自分でつくるしかない。そう思って、農作業の合間に料理教室や観光ボランティアなど、もういっぱい活動をしています。忙しいんですけど、楽しくて、楽しくて。

野菜ソムリエの資格を取ったことが、外に出るきっかけと言えるかもしれませんね。4年ぐらい前のことなんです。野菜ソムリエの桑原奈美さんの食育の講演会を聞きに行って、衝撃を受けましてね。農家なのに、野菜の栄養素など知らないことばかり。どうしても、資格を取りたくなって、農作業が終わった夜中に勉強したんです。

農家だからできる地産地消の料理教室

料理教室を始めたのは、野菜ソムリエになってからですね。2013年4月に九州芸文館が開館したときに、館内で料理を教えてくれないかと打診を受けまして。受講生8人からのスタートでした。今では口コミなどで36人まで増えて、たいへんにぎわっています。

吟醸香、野菜ソムリエ、貝田輝子、九州芸文館

農家だからこそできる料理教室を心がけていまして。鮮度は当然抜群。農家仲間から、規格外で市場に出せない野菜や果物を仕入れています。おいしいのに、捨てられてしまうのはもったいない。イチゴのあまおうやナシ、ブドウ、シャインマスカットなど、フルーツを栽培している友だちはいっぱいいますし、卵だって手に入る。有明海もあって、おいしい海苔(のり)も採れるし、麦の栽培も盛ん。タケノコは日本一の生産地なんですよ。この活動を始めて、筑後地方の食材の豊富さにあらためて気付かされます。

吟醸香、野菜ソムリエ、貝田輝子、九州芸文館

おつまみの食材豊富な筑後!

王リンギのソテー、セロリの漬物、トマトのチーズ焼き

食材の生産者や加工品の会社関係者など、筑後の食に関する人脈がどんどん広がっています。酒蔵の関係者と知り合いになったのも、料理教室を始めてからなんです。私、お酒が大好きなんですよ。飲み会にもよく誘われるようになったし、昔よりもお酒が強くなりました! 飲み会では必ず、“飲み放題”をにするようにしています(笑)。

豊かな食材が身近にあるから、お酒のおつまみも、いろいろ浮かんできます。私、「男の料理教室」もやっているんですけど、おつまみのリクエストが多くて。きのこの産地・大木町にはエリンギを改良してできた「王リンギ」があって、ソテーするとアワビのような食感で日本酒が進みます。みやま市のセロリは漬物にすると絶品なんですよ。

この前、ことしの「筑後七国酒文化博」に参加する蔵の関係者にセロリの甘酢漬けを出したんですけど、大好評で。各蔵が一番いいお酒を持ってきてくれていたと思うんですけど、いや~おいしかった! 個人的には「繁桝」さんが好みの酒でした。ただ、不思議な事に、私の料理のお手伝いをしてくれた人たち全員が、別々の酒蔵の酒を好きだと言っていたんです。各蔵で味の特長が違うんですよね。筑後はどこの蔵も、おいしいお酒をつくってるんですよ。

4月の「筑後七国酒文化博」では、どんなお酒に合う料理を出そうかと思案中です。前にタケノコのめんたいチーズ焼きやトマトのチーズ焼きを出した時は大好評でした。筑後で採れた大麦を使ったチヂミとかもいいですね。八女茶ですか? 新芽の出る季節だから、天ぷらにしたらいいかも! 抹茶塩で食べたら絶対においしいですよ!

 

吟醸香、野菜ソムリエ、貝田輝子、九州芸文館

貝田輝子さんプロフィール 

九州芸文館で「輝ちゃんの新鮮野菜料理教室」を主宰。トマトは「桃太郎はるか」「桃太郎ホープ」を栽培していて「うちのトマトは、とってもおいしいですよ!」。

 第3回筑後七国酒文化博

4月8日(土曜日)12時~18時、九州新幹線筑後船小屋駅横の九州芸文館で開催。参加蔵は日本酒蔵の後藤酒造場、旭松酒造、高橋商店、喜多屋、若波酒造、菊美人酒造、玉水酒造、目野酒造と焼酎蔵の西吉田酒造の計9蔵。1蔵3~5銘柄の酒が1杯100円~300円で味わえる。地元食材のおつまみも販売している。前売りチケットは1000円(1100円分)、当日チケットは1000円。問い合わせは、九州芸文館(0942-52-6435)へ。