八代目中村芝翫さん

六月博多座大歌舞伎

八代目中村芝翫さん、襲名祝の鏡開き

待ちに待った六月博多座大歌舞伎が、6月2日からはじまった。今回は、なんと歌舞伎界初となる八代目中村芝翫(なかむらしかん)さんら親子4人同時襲名披露。これは、見逃せない。6月2日の初日、劇場エントランスで、芝翫さんによるご挨拶と襲名を祝う鏡開きが行われた。

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朝の9時半。中村橋之助改め中村芝翫さんを一目見ようと、多くのファンが集まった。

親子4人襲名の大変さをひしひしと感じています

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大歓声を受けて登場した芝翫さん。挨拶では、熱い想いを語ってくれた。

「息子3人を引き連れて親子4人の同時襲名というのは、歌舞伎史上はじまって以来のことでございます。先輩方にご挨拶に伺った時、本日ご出演くださっているお兄さまから、『一人でも襲名大変なのに、子ども3人に4人でやって大丈夫なの?』と。その時は、『大丈夫ですよ』と言ったのですが、今ひしひしとその大変さを痛感しております。

残念ながら、獅童君が病気でお休みということですが、『博多の皆様にくれぐれもよろしくお伝えください』との伝言を預かっております。彼はきっと復活して博多座に元気な姿を見せてくれることかと思います。

この博多座は、亡くなった勘三郎の兄が大変に愛した劇場でございまして。先だって5月30日は勘三郎兄の誕生日でした。この地にて一緒にお祓いをし、この会場のどこかに勘三郎兄がいてくれているんじゃないかなあという思いです。

そういった意味でも、この博多座は修業を重ね汗をかいてきた思い出の深い劇場でございます。そういったすばらしい会場におきまして、2日から26日までの1か月間襲名披露ができますことを、私本当に身に余る幸せだと思っております。

ただ単に幸せだけではなく、やはりお客様を大勢いらしていただかないと、これはなんともできないことではありますが、今回1度と言わず、2度3度、昼と言わず夜も、隣近所、友達とお越しいただいて、ぜひとも博多座へ足を運んでいただきたいと思っております。本日はありがとうございました。1か月間よろしくお願いいたします」。

ところどころで「成駒屋!」などファンからの大きな掛け声が上がり、終始会場はあたたかい雰囲気に包まれていた。

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マスコミやファン向けの撮影が行われた後は、いよいよ鏡開き。「せーの!」

大きな大きな拍手が鳴り響いた。樽酒は、先日試飲したばかりの「庭のうぐいす 特別純米 なつがこい」の山口酒造場のもの。なんとも嬉しい偶然だ。最後の締めは、やっぱり博多手一本。気持ちが引き締まる。

深々とみなさんに礼をして、終了。

その後の取材で、中村芝翫さんが今の心境を語ってくれた。

車引をせがれどもとやらせていただくのは身に余る思い

「去年の秋からはじまった襲名。6月からまた後半戦ということで、大好きな博多座でこうして親子4人一緒に、そしてまた先輩方、後輩、すばらしい役者さん方が支えて下さって、こうして襲名披露ができますことをありがたいことだと思っております。

2年前に芝翫襲名、襲名興行を発表した時よりも、子どもたちも成長していると思うんですよね。それぞれが役者に対する思いがあります。今回特に、昼の車引をせがれどもとやらせていただくのは身に余る思いであります。親子共演は博多座さんならでは。

博多座さんも20周年。そういったこともあるので、歌舞伎はライブですから、ぜひとも足を運んでいただきたいと思っております。今回の親子4人同時襲名披露で一番苦労してるのは、家内じゃないでしょうか。今日も朝から裏でやっておりますけどね。僕は舞台に立つけれど、一人じゃできませんから。

よく言っているんですけど、芝翫というのは個人の名前ではない。中村芝翫というのは会社の社長に就任したようなものですから。ある意味8代目芝翫という株式会社を大きくして業績も上げなければなりません。また、大きい会社にして、せがれの3人うち誰かが継ぐと思うので、それをしっかりと渡していければと思います」。

今回、大注目の親子4人の共演は、昼は車引、夜は祝勢揃壽連獅子。六月博多座大歌舞伎は、26日まで。ぜひ、この貴重な親子4人同時襲名の晴れ舞台を、一目見に行きませんか。