日本酒倶楽部林さん

日本酒倶楽部林さん

日本酒倶楽部AZOLLA(福岡市)
会長 林健太郎さん

AZOLLA(アゾラ)は8月にスタートしたばかりなんです。メンバーは20歳代~50歳代までの男女10人前後で、職業もバラバラです。僕は生命保険会社の営業マン、副会長は教材販売をしてます。建設業や会社の経理をしている人もいます。共通しているのは、みんな日本酒好き、ということだけです。

もともとは、日本酒居酒屋「博多けいぞう」(福岡市中央区大名1-8-5)に通ってた人たちが「もっと日本酒のことを知りたいよね」と思って結成した会なんです。特徴を一言で言えば、「楽しく、日本酒を飲みたい」。それだけです。楽しむのが目的なので、日本酒について「批判しない」「ウンチクを語りすぎない」と決めています。

日本酒倶楽部林さん

日本酒って、マニアな人が多いじゃないですか。「この銘柄は造り方が良くないからまずいんだ」とか、「この銘柄は去年よりも味が落ちた」とか。そんな批判やウンチクを語られても、全然、楽しくないですよね。おいしい、おいしくないは人それぞれですから。僕らはマニアックにならず、純粋に仲間と日本酒を楽しみたいと思っているだけなんで。

会では、メンバーが蔵元を直接訪問することにしているんですよ。これまで日本酒は、ただ飲むだけだったんですが、どんな方が造っているのか知りたくて。知ることができれば、楽しみも広がると思ったんです。

この前、アゾラのメンバーと一緒に古伊万里酒造(佐賀県伊万里市)のイベントに行きました。日本酒倶楽部の会長と言っても、酒蔵に足を運んだのは初めてでして。面白いなと思ったのは、蔵にサーフボードが置いてあったことです。杜氏さんはサーフィンが好きらしくて。実際に10種類ぐらいの酒を飲み比べしたんですけど、素直な感想として、古伊万里酒造の酒は楽しいなと思いましたね。プライベートも楽しんでいる人が造っているから、そう感じたのかもしれないです。

そんな経験を、アゾラでは大切にしたいと考えています。酒蔵のこだわりって、説明を受ければわかるんですけど、商業的な情報だけで、実際にどんな人が造っているのかまではわからないですよね。蔵を訪問すれば、少しは造り手の人間性がわかるんじゃないかと思ったわけです。例えば杜氏がサーファーだったりと、酒造り以外の一面も知れれば、古伊万里酒造の酒に対する、僕らの思い入れも変わると思うんです。

「陸奥八仙」を造っている青森の八戸酒造に行ったときは、社長の二男が杜氏をしていて。30歳代前半の若い方で、とっても物腰が柔らかい印象でした。でも、対照的に、酒はしっかり主張してくるタイプなんですよ。そんなことを知れるのも、蔵を訪れたからこそ、ですよね。

造り手のことを知れば、酒を飲んだ時に、造っている人の顔が浮かぶんですよ。やっぱり、思い入れも違ってきますよね。日本酒と料理のマリアージュも大切だと思うんですが、そこに会話という“調味料”を加えたら、もっとおいしくなると思うんです。だから、「杜氏がサーファー」などの“調味料”を求めて、アゾラのメンバーは酒蔵に出かけているんです。

“調味料”を仕入れたら、飲み会です。メンバーが出向いた蔵の酒を、どんな人が造ってるのか、などを聞きながら飲むんです。楽しいですよ。「このお酒だったら、こんな料理が合うよね」なんて意見が出たら、「博多けいぞう」の大将に、調理をお願いするわけです。よく「料理に合うお酒を」とお店で注文する人がいますが、アゾラではお酒にあう料理を、大将と作っていきたいと考えてるんです。

大将はできる限りの希望に応えてくれるから、僕らはとっても面白いし、とっても居心地のいい空間になります。この空間をみんなで共有できることが、会の魅力なんじゃないですかね。いずれは、アゾラの飲み会に、蔵元さんや杜氏さんに来てもらって、みんなで楽しみたいなと思っています。

最近は日本酒を飲むのが楽しくて仕方がないんですよ。近ごろの若者は酒を飲まなくなったと言われますよね。体質的に飲めないのなら仕方がないですが、飲めるのであれば、非常にもったいない。酒を楽しむ、という行為を知らないだけだと思うので。楽しみ方を知ることで、コミュニケーションも増えます。日本酒を通して人と人がつながっていくって最高じゃないですか。

僕自身も昔は、日本酒っておじさんのイメージで、楽しさなんて知りませんでしたよ。銘柄なんて関係なく、ただ飲めればいいやって。でも、社会人になって、ある人に連れていってもらったお店で、珍しい日本酒を飲ませてもらって、「おいしい」とびっくりして。今までの概念が変わりました。お酒を楽しむ、という飲み方に変わったんです。日本酒はブランドでも楽しめるし、料理との相性でも楽しめるんだな、と。

「アゾラ」って、38歳になった僕にとっても、新たなお酒の楽しみ方を知る会になっているんです。北海道出身で淡麗辛口の日本酒文化で育ったんですけど、九州の日本酒のイメージって全くなくて。福岡に住んで、「東一」(五町田酒造)とか、「前(さき)」(古伊万里酒造)とか、九州にもおいしいお酒が多いんだなと知ったんです。福岡にもたくさん日本酒蔵があるので、一度足を運んで、造り手の方とお話したいですね。想像すると、ワクワクしてきます。

日本酒倶楽部林さん

日本酒倶楽部AZOLLA

AZOLLAは、酒米である山田錦の水田などに発生する浮草の意味。水田を覆い、雑草が生えるのを防いでくれるので、農薬に頼らない農法の手助けにもなる。「楽しく日本酒を飲む」がモットーで、オリジナルTシャツを着て酒蔵を訪問している。福岡市中央区大名の日本酒居酒屋「博多けいぞう」(福岡市中央区大名1-8-5)が事務局代わりになっていて、メンバーは、夜な夜な日本酒話に花を咲かせている。

日本酒倶楽部林さん