山口長門 むかつく

過疎化にどう取り組むか

先週、仕事で山口県長門市へ行ってきた。2日間でいろいろまわらせていただいたのだが、町に、人に、勢いがある。人口、約3万5千人。もちろん、過疎化は重大なテーマだ。だからこそ、町は、若者、新たな人材、そして、今暮らしている人たちにとって暮らしやすい町を模索し、新しい試みにも挑戦する。そして、そこに暮らす人たちがワクワクと輝きを放ちはじめたら、相乗効果がいろいろなところで生まれ、町全体に明るい未来が見えはじめる。私には、長門に、明るい未来が見えた。

34年ぶりに酒造りを復活させた阿武の鶴酒造が手掛けた「純米大吟醸 むかつく」

「むかつく」とはすごい名前だと思っていが、これは地名。「向津具」と書いて、むかつく。「向津具」は、海に囲まれ棚田が広がり、移住者が増えつつあるエリアだ。

長門市には、現在、酒蔵が1軒もないのだが、長門市のお土産にと、今年の春にはじめて造られた酒が、「純米大吟醸 むかつく」だ。その名の通り、「向津具」の棚田米で醸したお酒。そして、このお酒を造ったのが、長門市の隣の萩市のさらに先、阿武郡阿武町にある阿武の鶴酒造。なんと、この阿武の鶴酒造は、34年振りに酒造りを復活させた。そして、「純米大吟醸 むかつく」は、酒蔵復活の記念すべき酒でもあるのだ。6月下旬に1000本を販売して、1カ月で完売。今年は量を増やす予定だとか。

このお酒を造ろうと思い立ったのは、萩市出身で、一度は外に出てUターンで戻って来て、現在、長門市地域おこし協力隊の津田祐介さん。復活させた阿武の鶴酒造の後継者とは同級生だったとのこと。こういう若い人の力が、町を確実に元気にしてくれる。

俵山温泉のお湯質はヌルヌルで、お肌ツルツル。かつて、湯治場として栄えた温泉

ちょっと、ここの温泉はすごい。俵山温泉の泉質の良さはお墨付き。ヌルヌルでお肌ツルツル。飲用としてもよい。あまりにも効能があるので、浸かり過ぎに注意とのこと。俵山温泉は、ひっそりと山奥にある風情ある温泉でピカイチの泉質なのだが、営業していない宿がちらほらとあった。このお湯質の虜となったのは言うまでもない。改めて、ゆっくり訪れたい。温泉に入り身体がポカポカとなった後は、その隣の焼鳥屋へ。長門は、焼鳥でも有名とのこと。日本酒は、地元山口のお酒である、獺祭、貴、雁木などが並ぶ。

安倍首相は山口萩市の出身ということで、2016年12月、日露首脳会談が山口県で開催された。その時の宿泊先が、俵山温泉から20分ぐらいのところにある、長門湯本温泉の大谷山荘。長門湯本温泉で聞いた話だが、その時、ロシアのプーチン大統領が飲んだ日本酒が、「東洋美人」。「東洋美人」があまりに美味しかったのかどうか、プーチン大統領が「東洋美人」と口にしたらしく、次の日、地元の酒店では東洋美人が姿を消したそうだ。

東洋美人はなかったので、選んだのは、貴と獺祭。長門の話で盛り上がりながら、美味しいお酒をいただいた。

お土産には、手焼きの三猿まんじゅうを

俵山温泉は、白猿によって発見されたとの言い伝えがある。俵山温泉街の一角にあるお土産屋で、朝早くから手焼きされていたのが、「三猿まんじゅう」。見ざる言わざる聞かざるの3種類の焼き型があって、中身は黒あんと白あんの2種類。素朴な味わいでかわいらしい。

突然決まった、山口長門の取材旅。元気な町や人に出会うと、こちらまで頑張ろうという気持ちになる。長門のみなさんからは、たくさんの元気をいただいた。

俵山温泉の直売所で棚田の新米を手に入れたのだが、そこのお母さんが「獺祭の酒米も作っているのよ」とのことで。そうだ、山口と言えば、獺祭だ。せっかくなので、もう1泊して温泉に浸かり、獺祭のある山口県岩国市まで足をのばすことにした。翌日は、錦帯橋経由で、獺祭へと向かう。