博多祇園山笠の季節到来。熱気を帯びる博多の町
我ら福岡県人が誇る博多祇園山笠の季節到来である。
9日には、筥崎宮の箱崎浜で、全流の舁き手(山笠を担ぐ男たち)全員が参加し、お汐井(真砂)とりが行われた。8日には、一番山笠・西流と三番山笠・恵比須流が御神入れ(山笠に神様を招く)を行い、七流の舁き山笠が出そろい、本日10日から、流舁きがはじまる。各流の区域内を舁き山笠が動き出し、今年の山笠のお披露目となる。
そもそも博多祇園山笠は、鎌倉時代に承天寺の開祖である聖一国師が博多で流行した疫病を鎮めるため、施餓鬼棚に乗り博多の町に祈とう水をまいたことがはじまりだと言われている。この行いが、厄除けを願う祗園信仰とつながることから、櫛田神社の社祭となっていったそうだ。現在のように、山笠を担ぎ町中を走りまわるようになったのは、江戸時代からだとか。京都の祇園祭もそうだが、これだけの祭が今もなお続いているのは並大抵のことではなく、素晴らしいことで、流を守る人たちの汗と涙があってのことだ。
11日(水)は、他流舁き、12日(木)は、追い山ならし(七つの流が櫛田入りし約4キロのコースを駆け巡る)、13日(金)は集団山見せ、14日(土)は、流舁き、15日(日)は午前4時59分スタートで、フィナーレの追い山となり、櫛田入りと全コースのタイムを競う。午前6時には鎮めの能が披露される。
飾り山笠を眺めながら、博多の町をてくてく歩く
7月1日からは、飾り山笠が公開されている。市内14カ所、15日未明まで。この飾り山笠を見に、櫛田神社へと向かった。お櫛田さんの愛称で親しまれている櫛田神社は、博多の総鎮守。祭神は大幡主命(櫛田宮)・天照皇大神(大神宮)・素盞嗚尊(祇園宮)。櫛田神社へ辿り着くと、祭の熱気が漂っていた。
手水舎も山笠の飾りが。手水舎の水で両手と口を清めて、参拝を。
櫛田神社の境内にも飾り山がある。
表のテーマは「日本武尊征熊襲」で、見送り(裏)のテーマは「如水九州耐平ら定功」。それぞれ人形師による解説がある。この日はたまたま、博多ガイドの会のみなさんが、解説をしながら飾り山笠を案内していた。
櫛田神社を参拝した後は、川端商店街へ。見えてきました、飾り山。
続いて見えてきたのが、四番山笠・土井流の「歌舞伎十八番 暫」。迫力満点だ。
土井流の近くに、川端ぜんさい広場があったので、立ち寄ってみた。中にも飾り山笠があり、名物の川端ぜんざいや氷を楽しみながら、見学を。氷の中にたっぷり入った小豆が美味。
裏面は、スター・ウォーズをテーマにしたもの。それぞれのテーマに応じた飾り山は見ごたえがある。
氷で一休みした先にも、飾り山が。
川端商店街を抜けて、博多リバレインへ。
この暑さの中、さすがに全流歩いてまわるのはきついけれど、櫛田神社から川端商店街を通り抜けて博多リバレインへのコースはおすすめだ。それにしても、人形師の手による煌びやかな飾り山が披露されるのは、僅か15日。15日の命である。そのために、どれだけの時間と手間を費やしているのか。しっかりと目に焼き付けておきたいものである。さらに、男たちに担がれた時に見せる舁き山笠の表情は、男たちの熱気相まってさらに躍動感を増すはずだ。15日まで、博多人の心意気をしっかりと心にとどめたい。