八女ぼんぼりまつり

八女ぼんぼりまつり。八女福島の町並みをそぞろ歩く

福岡県八女の八女福島の白壁の街並みでは、3月11日(日)まで「雛の里 八女ぼんぼりまつり」が開催されている。八女福島一帯は、もともと城下町で、久留米藩の在郷町として栄えていた。町を歩いていると、仏壇、提灯、お茶屋などがあるのだが、これらは江戸時代から続く伝統産業だ。八女といったら、「繁桝」と「喜多屋」と福岡県内でも有数の酒蔵が2つあるのだが、これら2つの造り酒屋も江戸時代から続いている。「八女のぼんぼりまつり」とともに、八女福島の白壁の町並みをそぞろ歩いてみた。

3月11日(日)までの土日は、八女伝統工芸館から無料巡回タクシーが15分おきに出る。10時から16時まで

まずは、「八女伝統工芸館」と「八女観光物産館ときめき」へ。「八女観光物産館」に併設している「八女観光案内所」へ行き、情報収集。地図をいただき、町歩きをスタート。

「八女のぼんぼりまつり」開催中の土日は、無料巡回タクシーが出る。「八女伝統工芸館」や「八女市役所」に車を置いて、無料巡回タクシーで移動が便利。歩いても十分まわれる距離だ。

「京町」の信号あたりから町歩きをスタート。まずは、「福島八幡宮」方面へ歩く。

八女福島の白壁の町並みの中にある西日本新聞の販売店。「自由にお入りください」とのことで、「こんにちは」と中に入り、中をみせていただいた。立派な「箱びな」に「さげもん」が。

平安時代に始まった「ひな祭り」。江戸時代になると全国の城下町を中心に広がった。しかし、貧しい農民が大半を占める一般庶民にとって江戸雛や京雛はてが届かない。そこで、伝統工芸が盛んな八女では、職人たちが身近な材料を利用して作ったのが、「箱びな」だ。女雛の冠や人形の飾り台に提灯の金具を、衣裳には仏具に利用する金襴(きんらん)などを用い、仏壇の発想から箱にいれた雛人形を生み出した。幕末から昭和の半ばにかけては、仏壇屋や提灯屋が注文を受けて作っていたそうだ。

「箱ひな」もさることながら、町家建築に目が奪われる。

これらの町家の建物は、もともと茅葺屋根で、江戸時代後期になると、「居蔵」と呼ばれる瓦屋根の土蔵造りの町家が増えてきたそうだ。これらの古い町家が今も大切に使われ、暮らしの息吹が感じられるのが、いい。

町の至る所で、「箱びな」をはじめひな人形が飾られている。

ガラス戸超しに覗いて楽しむ。平日は中に入れなかったものの、土日は開放されているかもしれない。

こちらは、「福島八幡宮」手前にある、お茶屋。九州最古の茶商「矢部屋許斐(このみ)本家」。明治期に地元の良質なお茶を見出し、生産者を集め「八女茶」と名付けた。海外への輸出も行っていたそうだ。

中に入ると、お茶のいい香りが漂う。ひな人形も見せていただいた。

八女茶の原点である「焙炉式焙煎法(ばいろしきばいせんほう)」は、今も一部行われている。このお茶の販売所奥には、完全予約の喫茶室もある。この喫茶室は、もともとは接待場だったという。とにかく、建物、空間がすばらしい。「矢部屋許斐(このみ)本家」は、思いのほか長居し、いろいろお話を聞かせていただいたので、後日、きちんと紹介する。八女福島を訪れたら、ここはぜひ訪れて欲しい場所だ。お土産に八女茶や八女茶を使ったお菓子もある。

「福島八幡宮」を左に曲がると、白壁の町家がずらり。

てくてく歩いていると、「合良矢工房」があった。ガラス戸超しの「箱びな」がかわいい。

中に入る、矢とともにひな人形も。

左手に工房があり、職人さん作業をしていたので、見学させていただいた。こちらは、弓道の矢を作っている工房。注文を受けオーダーで作る矢もあるという。竹を使った矢などは、山から竹を切り、1年ほど寝かし乾燥させて、やっと矢に使えるという。

「相良矢工房」の向かいには「八女市横町町家交流館」がある。この建物は、もともと造り酒屋「繁桝」だったそうだ。北棟は、弘化2年、南棟は大正7年に建てられたもの。それを改修し、町家交流会館に生まれ変わったばかり。

八女福島のまちなみガイダンス室、子どもの時にひと時八女に住んでいたことから酒井田柿右衛門資料室などもある。八女福島の町並みに詳しいスタッフがいるので、じっくり話を聞くのもおもしろい。八女福島は、もともと福島という地名で、八女福島になる時に相当な反発があったという話など、「八女福島」の町の歴史について詳しい話は、また改めて伺いたい。

来た道を戻り、スタート地点の「京町」信号あたりへ。今度は、反対の我らが「恵比寿酒店」がある方向へ。

「京町」信号を過ぎてすぐ、旧木下家住宅「堺屋」がある。こちらも代々酒造業を営んでいた。離れの座敷は、明治41年に建てられた近代和風建築。倉庫(1号と3号)は、明治時代初頭に建てられたそうだ。

中に入ると、「櫨」の掛け軸が「箱びな」とともに。

八女の「箱びな」は、質素だけども、ところどころに職人の細やかな技や工夫が感じられ、表情がとても穏やかで温かみを感じる。

「堺屋」を出て歩いていると、書道教室のガラス戸越しにもひな人形が。古い町家の建築物とひな人形を見ていると、ほっこり和む。

 

さらに進み、仏壇屋にも「箱びな」が。町をあげて「いらっしゃい」ともてなされている感じがとても温かい。

そして、「恵比寿酒店」がある。中に入ると、「箱びな」はないものの、「恵比寿様」が。筑後のお酒や甘酒があるので、ぜひ気軽にお立ち寄りください。恵比寿酒店の記事はこちら

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「恵比寿酒店」すぐのところに、懐かしい「駄菓子屋」が。酒のつまみに、駄菓子もありだ。

「駄菓子屋」前には、これまた古い建物が。こちらもガラス戸越しにひな人形。

「駄菓子屋」から、右に曲がると、「ギャラリー楽虎(らっこ)」と「うなぎの寝床」が。火曜は、両方休みだったのだが、「ギャラリー楽虎(らっこ)」には、もちろん箱ひなやひな人形が展示されている。「うなぎの寝床」は、久留米絣のもんぺで有名だが、九州筑後のアンテナショップ。筑後の魅力的なもので溢れている。

さらに進む。提灯屋や建築事務所などがある。

普通の家の軒先にも、さげもんが。

「旧寺崎邸」、こちらも「うなぎの寝床」の関係店舗。九州以外の魅力的なモノや珈琲が楽しめる。「うなぎの寝床」と同様、火曜と水曜はお休み。

さらに進み、「木下米穀店」が。

「木下米穀点」を左に曲がると、「喜多屋」が見える。3月3日(土)、4日(日)には蔵開きがあるので、「八女ぼんぼりまつり」とともに楽しんでみては。

八女福島は、何度か訪れたことがあるのだが、こんなにじっくりと町歩きをしたのははじめてだ。古い町家の佇まいとそこでの暮らしが垣間見え、また「箱びな」のもてなしが、いつも以上に心温まる。「雛の里 八女ぼんぼりまつり」は、3月11日(日)までなので、ぜひ訪れてほしい。