瓦、三つ巴、連珠。

瓦,三つ巴,連珠

もっと早くに気づいていれば。瓦職人になりたかった。

瓦の世界は奥深い。日本に瓦が伝えられたのは、およそ1400年前。飛鳥時代の飛鳥寺にて用いられたとされる。飛鳥時代、瓦葺きが許されたのは寺院のみだった。現存日本最古の瓦は、元興寺の極楽坊本堂と禅室に葺かれている瓦とされる。その後もしばらく、寺院仏閣あたりでの使用に限られていた。時は流れ、安土桃山時代。文化は豪華絢爛。その文化を担いし戦国大名は、築くお城に、その美を競う。鬼瓦、鯱瓦、金箔瓦もこの当時誕生したと言われている。ちなみに日本三大瓦産地と言われているものがある。三州瓦、石州瓦、淡路瓦である。順に愛知、島根、淡路島である。

瓦,三つ巴,連珠

瓦に多い三つ巴。そして連珠。

巴。巴が3つで三つ巴。巴とは何か?1つ目が、弓を射る時に使う鞆(とも)を図案化したもので、もとは鞆絵である説。ちなみに鞆とは、弓矢を射る際に、弾かれた弦の衝撃から腕を守るための道具。弓を持つ手の手首内側につけて使用する。2つ目が、勾玉を図案化したもの。3つ目が、水が渦を巻くさま。結果、「渦を巻く水」という意味で巴の漢字が当てられた。その流れから、火災除けとして巴紋が広がる。また武神である八幡神の神紋として三つ巴が用いられるようになって、さらに普及する。

三つ巴とは?魂なのでは?

以下は勝手な仮説である。有馬巴、左巴、右巴、そのあたりの話は割愛して。神社の裏に、この三つ巴がある姿を見た。大きな神紋である。聞けばその裏は修行僧が過酷な修行を繰り返していた地である。修行中に命を落とすものも少なくなかったのでは?そうなるとその餓鬼となりし、魂たちを供養する三つ巴だったのでは?などと勝手に想像した。火災除け以外にも厄除け魔除け的な要素もあるのではないか?

酒文化を伝える。博多日本酒吟醸香。

そのフラグシップとして、有形なものとなった恵比寿酒店。その建物は築130年以上の古民家。今日もけやきの梁が我々を見ている。元から在りし神棚も同様に我々を見ている。その外側では、この家屋を守りし瓦が有形無形のものたちに睨みを利かしている。我々が守らないといけないもの。未来永劫伝え続けなければならないもの。普段の何気ない暮らしのそばにあるのである。昨日と変わらない朝を迎えられるのは、先人たちがつくった過去の上にあるのを忘れてはならない。

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