福岡県糸島は山田錦の産地。地元産山田錦を使った普段使いの日本酒造り、白糸酒造
ここ数年、人気が高まりつつある白糸酒造の「田中六五」。
白糸酒造のある福岡県糸島市は、酒米の最高峰でもある山田錦の産地でもある。糸島産山田錦は品質が高いと評判だが、「心白が大きいほど、菌糸が中心まで入り、いい麹に仕上がる。糸島の山田錦は、心白がより中心にある。たくさん削ってもちゃんと心白が残るので、そこが糸島産のよさ」とある蔵元の杜氏が話していた。心白は、夜冷える間に栄養分が取り込まれることによってできる。昼夜10度以上の温度差が理想で、糸島の山側の田は夜冷えるので、心白がしっかりできるそうだ。
山田錦の産地の中に、酒蔵があるのは、全国でも珍しい。これまた全国でも珍しい、全量ハネ木搾りを貫くのだが、ハネ木で搾ると、酒粕の雑味のないふくよかな味わいの酒になるという。
糸島産山田錦を65%磨いた純米酒が、「田中六五」
白糸酒造では、通常は純米酒などの高級酒に使う山田錦を使って、手ごろな価格の普段使いの日本酒づくりも試みている。それこそが、「田中六五」だ。65%に磨いた山田錦で造った純米酒。ほどよい酸を感じる爽やかな飲み心地で、米の旨味さえ感じられる酒。食事と一緒にいただきたい食中酒だ。「田中六五」の名前の由来は、「田」んぼの「中」にある蔵で「65」%に磨いた山田錦でつくった酒という意味合いから。ちなみに、この酒をつくった8代目の名字も「田中」。そして、このラベルは、8代目が自ら書いた字を使っている。
ちなみに、今はリニューアルし、なくなってしまったのだが、以前、山田錦を70%磨いた(当時は、70%というと普通酒と同じ磨き具合で、このランクの酒に山田錦を使うのは珍しかった)「喜蔵70」という酒があったのだが、これは、7代目(現社長)が書いた文字を使っていた。「田中六五」にしてもシンプルで真っすぐさを感じるラベルだ。
福岡で「田中六五」を手に入れるなら、住吉酒販へ
「田中六五」は、残念ながら蔵元では販売していない。福岡では、「住吉酒販」で販売されている。住吉神社近くの住吉酒販本店(福岡市博多区住吉3-8-27)、もしくは、JR博多駅の博多デイトス1階(筑紫口側みやげもん市場)で手に入る。
最近、ラベルを一新した糸島産山田錦使用の白糸シリーズ。蔵元に立ち寄っていると、「白糸35」と「白糸70」は、新酒が出ていた。よく見ると、うっすらラベルに白糸の文字が浮かび上がる、スタイリッシュなラベル。白糸シリーズは、「白糸45」と「白糸55」もある。また、人気の甘酒についての記事はこちら。
白糸酒造の蔵開きは、2月24日(土)、25日(日)と4月14日(土)、15日(日)の11時から16時まで
JR筑肥線筑前前原駅南口よりシャトルバス運行(有料)。新酒の試飲、酒蔵見学、蔵開き限定酒、利き酒大会など、イベント多数。糸島の海産物・農作物の店など多数出展。糸島の食と酒を味わいたいもの。
- 施設名
- 白糸酒造
- 住所
- 福岡県糸島市本1986
- 電話
- 092-322-2901
- URL
- http://www.shiraito.com/