密かな人気の酒粕

健康にも美容にも優れている酒粕

日本酒のもととなる醪(もろみ)を搾ったあとに残るのが、酒粕。ある蔵元の奥様は、いつもお肌がつやつやなのだが、酒粕で化粧品をつくるという。精製水に酒粕を入れ、よく溶いてから、小麦粉を足してとろみをつけるそうだ。

発酵食品である酒粕は、栄養価が高く、老化、不眠、骨粗しょう症など健康面でも優れているといわれている。甘酒は、よく「飲む点滴」といわれるが、酒粕も「百薬の長」といわれるほど、優れた発酵食品なのだ。

酒粕といったら、お手軽なのが粕汁

この季節、温かい鍋が大活躍だが、毎日鍋というわけにはいかない。そこで、手軽にできるのが、粕汁だ。いつもの味噌汁に、にんじん、大根、里芋、豆腐、油揚げなど家にある野菜をたくさんいれて、最後に酒粕を加えるだけ。ポカポカと身体が芯から温まる。酒粕の分量は、味見をしながらお好みで。

お湯に溶いて煮詰めたら、甘酒に

甘酒には、酒粕で造る甘酒と麹でつくる甘酒があるのだが、通常、酒蔵が販売しているのは麹を使った甘酒だ。甘酒は、ビタミン類・アミノ酸・ブドウ糖など豊富な栄養素を含んでいるので、「飲む点滴」といわれ、体内をきれいにし元気にしてくれる優れもの。酒と名が付くものの、もちろんアルコールは入っていない。

家で簡単に作れるのが、酒粕を使った甘酒。

180mlの水を鍋にかけ、約30gの酒粕を溶いて煮詰める。甘味が全くないので、砂糖とお好みでショウガを加える。麹でつくられた甘酒とは味わいが全く異なるのだが(私は、やっぱり麹の甘酒が好み)、身体が温まり、思い立ったらすぐに作れる簡単さがいい。

酒粕スコーンにはまっていた時期があるのだが、酒粕を入れるだけで膨らみがよく、チーズのような風味がいい。ただ焼くだけで酒の肴になるとも。その他、酒粕と味噌を混ぜて、野菜や魚を漬けるなど、いろいろと活用できる。使わない酒粕は冷凍庫へ。冷蔵だと3カ月、冷凍だと1年ぐらいは保存が可能だ。

ここ最近、本から遠ざかっているのだが、ぜひ読みたい本がある。サントリー創業者である鳥井信治郎さんがモデルとなった小説「琥珀の夢」。日本の洋酒文化をどのように築いたのか、じっくりと読み進めたい。前に何度か、本づくりに携わったことがある。すごく根気のいる作業ではあったが、本には、思いもよらぬ不思議な影響力があった。博多日本酒吟醸で本が出せたら幸せである。

 

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