バンコクにある扉

salon,japonisant,Bacchus,bangkok,日本酒,焼酎目隠しの塀から除く看板のない一枚の扉

この情景。普通に考えたらAuthentic Barであると考える。中を開けると、そこに広がる、日本酒、日本の焼酎。ここはバンコク。アジア。扉を開く。まさかこんな和銘柄が並ぶ空間を想定できる人間はいないだろう。
Salon du Japonisant by Bacchus。外界との入り口は重厚に扉を開けることができる人間を選ぶ。何も知らない人間であれば、扉にふれることをためらう。看板もない。扉を開けて欲しいと言うような媚は皆無だ。そんな静かに佇む扉が印象的だ。中に入ると、この空間で発せられる日本語を認識するまでは、アジアンテイストなオーセンティックバーに思えるが。ふと耳を澄ますと、日本語が。ここで、惚れる、おそらく日本人の多くは。ホッとし、途端に正された姿勢から、腰を据えてゆっくりとした居心地の良さに包まれる。

japonisant,Bacchus,bangkok,日本酒,焼酎

バンコク訪問。そしてバッカスに出逢うまで。

海外が苦手だ。同じ日本語を使っていても通じ合えないのに、人は何故わざわざ海外に行きたがるのか?常々疑問に思っていた。しかしながら今回、遠路はるばる微笑みの国タイ、バンコクまでやってきた。週末開催のChatuchakイベントに参加するため、土曜の深夜便で羽田を出て、水曜の朝に戻る2泊5日という不規則な出張となった。関係ない話だが、博多日本酒吟醸香ならびに九州焼酎島は、酒販の免許をとった。販売で私腹を肥やすという気持ちではなく、ホントに小さな酒蔵でWEB通販ができる体制じゃない蔵元にも、WEBの恩恵を味わっていただけないかと思い、免許取得となった。追々なにかしらの企画が行われると思う。話を戻すとしよう。今回、バンコクの情熱的な夜を味わうことはなく、歓楽街外れにある、Salon du Japonisant by Bacchusに訪れた。

Bacchus,bangkok,日本酒,梵,ohmine,水芭蕉

Salon du Japonisant by Bacchusはショールーム

Koji Hara(原宏治)は言う。ここはBacchus Global Co.,Ltd.のショールームだ。会社で取り扱う商品のみをショールームで提供する。目的は日本人向けではない。商品を外国人の方に認知してもらう。そのために。このショールームを完成させた。中二階にはシガーバーの空間もある。徹底しているのはビジネスに徹している場だということ。看板もない。電話もない。広告もない。そんなショールームなのだ。フードも置かない。アルコール以外には手を出さない。男気という安易な言葉ではなく、徹している軸がぶれない。そんな男だ。それはそう、蔵元の杜氏を思い出させる。彼らの明確な意思表示を感じられる。彼はもともと駐在員でバンコクに来た。それから此の地にワインバーを開き、そこからBacchusという言葉を用いている。BangkokのBacchusはつまり、彼を指す。

カオソーイ,チェンマイ,日本酒,梵,ohmine,水芭蕉

タイには食中酒文化がない?

上の写真はBacchusとは関係ない。チェンマイ料理だ。写真のように庶民の暮らしは、これだけ甘いもの辛いものを好む文化である。和食が醸し出す繊細な味は伝わっていないのではないか?ましてやマリアージュ文化もない。そこに日本酒と焼酎という和食に合う繊細な飲み物で勝負を挑む。
「日本のいい文化を伝えたい。」彼は言う。そのためには法律や関税で厳しい面も持つ此の国で、どの銘柄を持ってこれるのか?彼の日本での蔵元選び、そして蔵元への情熱に委ねられるものは大きい。芋焼酎のハイボール、黒糖焼酎のモヒート。などなど、バラエティに富むCocktailが、此の店のカウンターである一枚板に並ぶ。そしてバンコクは熱帯夜、酒は当然進む。

Bacchus,bangkok,日本酒,原宏治,梵

異国の地で想う故郷の酒

梵があった。水芭蕉があった。ohmineがあった。バンコクにかおるはずのない吟醸香。此の地にて味わえるのは故郷を愛する男の鋼の意志ができることだ。酒を呑む文化を伝えたい。異国情緒溢れるAsiaな土地に、これまた故郷を想うお客が今宵も集まり始める。

Bacchus,bangkok,焼酎,夏茜

これが御幣をつくっている宮崎県西臼杵郡日之影町にある姫泉酒造の夏茜である。芋焼酎のハイボールで飲む。

Bacchus,bangkok,日本酒,ohmine,

これがOhmine。山口県美祢市大嶺にある大嶺酒造のお酒である。余分な日本語は削ってデザイン。原宏治さん。素晴らしく楽しい夜をありがとうございました。またいつかお逢いできる日まで。逢いに行くでしょう、きっと。