「くらの細道きっぷ」を使って、西鉄電車で酒蔵めぐり
3月24、25日に西鉄電車で酒蔵をめぐる「第7回くらの細道きっぷ」が開催された。
天神からだと往復1460円で、千年乃松酒造と山口酒造場のある北野駅、山の壽酒造のある大城駅、みいの寿のある大堰駅は乗り降り自由で、各蔵では、2杯飲み比べできる。
まずはじめに行ったのは、大城駅から歩いて1分の山の壽酒造へ。同時期に200周年蔵開きも開催中であった。200周年蔵開きの記事はこちら。
しょっぱなから、2杯に加え、おでんをつまみながら全種類試飲させていただいた。テントの中でちょっとゆっくりした後は、次の蔵へ。再び西鉄電車に乗って、みいの寿がある大堰駅で降りた。大堰駅は小さな駅。
住宅街を抜け、川沿いを歩く。15分ほど歩くとみいの寿が見えてきた。天気に恵まれ菜の花が咲き誇り、気持ちよく歩くことができた。
みいの寿は、純米酒にこだわる酒蔵だ。大正11年創業した蔵は時代とともに変貌を遂げ、たどり着いたのが、本物の日本酒造り。酒米は甑(こしき)で蒸し、一升盛りの麹蓋にてハゼ込みのある麹を造る。惜しみなく手間を掛け日本酒を造り続ける。みいの寿の記事はこちら。いただいたのは、この2本。「純米吟醸 木槽しぼり 生原酒」と「純米手造り 麗吟 瓶囲い」。「純米吟醸 木槽しぼり 生原酒」は、麹に山田錦に掛け米に夢一献を使用。精米歩合60%。うま味と酸味が感じられキレのある味わい。2本ともキリッとしたやや辛口の酒。
その他、いろいろな銘柄を試飲させていただくことができた。
とりわけ、気に入ったのが、白い梅酒。梅酒と乳酸菌飲料をブレンドしたリキュールで、今までにありそうでなかった味わい。とにかく飲みやすい。
試飲場には椅子が置かれ、椅子に座りながら気になるお酒が試飲できた。思いのほかゆっくりしてしまったのだが、次の酒蔵に向かうため、再び歩いて大堰駅へ向かう。
大堰駅で電車に乗り、次は山口酒造場と千年乃松酒造がある北野駅へ向かう。北野町駅に到着したら、商店街をしばらく歩く。
しばらく歩くと、北野天満宮がある。天喜2年(1054年)に創建された北野天満宮は、菅原道真公の分霊を祀り、京都にある北野天満宮の代官所としての役割を果たした。北野天満宮の記事はこちら。
北野天満宮でお参りした後は、北野天満宮の沿道にある山口酒造場へ。歩いて1,2分のところにある。山口酒造場は、1832年(天保3年)に創業。何でも、初代が古物・古美術商としてこの地に移り住み、酒造りをはじめたのは5代目から。現当主は、11代目とのこと。「庭のうぐいす」という銘柄は、酒造りをはじめた5代目が名づけ、今もなお受け継がれている。
いただいたのは、この2本。「うすにごり」と「おうから+1.5」。有料試飲もあった。
最後は、山口酒造場から歩いてすぐの千年乃松酒造へ。無濾過と生原酒をいただいた。そして、〆にはいなり寿司を。
電車でめぐる酒蔵めぐりは、天候にも恵まれ、思いのほかのんびりと酒蔵と春の装いを楽しめた。1つの蔵2杯試飲できるのだが、それ以外の銘柄なども多数試飲できるので、調子に乗って飲んでいると、どんどん心地よくなってくる。後半お酒の味の記憶が曖昧になりつつあるのだが、くれぐれも飲み過ぎには注意である。
もちろん帰りの電車では、景色を楽しむ間もなく電車に揺られ心地よく眠った。歩いて飲んでいい1日である。