菩提酛 三諸杉 

正暦寺で造られた菩提酛による「菩提酛純米酒」

先日、日本清酒発祥の地である奈良の成暦寺に行って来たのだが、成暦寺では、1月8日に、酒母 (菩提酛)の仕込みが行われ(菩提酛清酒祭)、「奈良県菩提酛(ぼだいもと)による清酒製造研究会」に所属する9の蔵元がその菩提酛を持ち帰り、日本酒を醸すという。

正暦寺で作醸された酒造法は「菩提酛造り」と言われ、製造工程で「生米」を使うそうだ。成暦寺と寺領の米と水を使い、境内から分離した「成暦寺乳酸菌」「成暦寺酵母」を用いて造る「菩提酛」。この「菩提酛」を使って、造られた菩提酛純米酒は、いったいどんな味わいなのだろうか。

成暦寺で販売していた720mlの菩提酛は、5種類。一升瓶だと他の銘柄もあった。

「風の森」で知られるスパークリング日本酒を造っている油長酒造の「鷹長(たかちょう)」は売り切れとのことだった。ちなみに、JR奈良駅近くで奈良の地酒を取り扱うこだわりの酒屋で、この「風の森」を購入しようとしたところ、スーツケースに入れて京都経由で翌日に福岡に戻るといったら、常温の時間が長く品質が保証できないとのことで、「口うるさくてごめんなさい」と言われつつ、売ってもらえなかった。

それはさておき、「菩提酛」の純米酒。日本酒度順に並んでいる。右にいくほど、辛口になる。日本酒度だけでは日本酒の甘口・辛口は判断できないが、あくまで指標として。左から、今西酒造の「三諸杉(みむろすぎ)」、上田酒造の「嬉長(きちょう)」、倉本酒造の「つげのひむろ」、八木酒造の「升平(しょうへい)」、菊司酒造の「菊司(きくつかさ)」。ちなみに、一番甘口が、油長酒造の「鷹長(たかちょう)」で日本酒度-20。一番辛口が、日本酒度+12の菊司酒造の「菊司(きくつかさ)」と葛城酒造の「百楽門(ひゃくらくもん)」とのこと。

選んだのは、日本酒度-6の今西酒造の「三諸杉(みむろすぎ)」。舌にまったり絡む甘みとその後に広がる酸味とコクのバランスがいいとのこと

旅の土産に、日本酒はいいものだ。旅の土産話とともに楽しみたい。

せっかく奈良へ来たので、もう1カ所寄りたいところがあった。酒造りの神様といったら、京都の「松尾大社」が有名だが(松尾大社にも寄って来たので、その話は後日)、奈良にも酒の神様がいる。

奈良で酒の神様として知られるのが奈良県桜井市の三輪山にある「大神(おおみわ)神社」

三輪山自体をご神体としている珍しい神社。酒蔵の顔ともいえる「杉玉」は、もともと三輪山の神杉の葉を球状に束ねて作られたものだという。この大神神社の「杉玉」は全国の酒蔵に届けられ、その「杉玉」に吊るされている札には「三輪明神・しるしの杉玉」と書かれているそうだ。「杉玉」について、詳しくはこちら。

奈良行きの最大の目的は、友達家族に会うことだったが、どっぷり日本酒にはまってしまった。翌日は、京都の伏見で酒蔵めぐりの時間はなかったものの、「伏見稲荷」経由で酒造りの神様である「松尾大社」へ足を延ばした。その話は次回にて。

 

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