祭り好きの博多っ子にとって、昔から日本酒は切っても切り離せない関係だった。祭りは神事であることが多く、神にお供えするお酒として、日本酒は欠かせないものだからだ。
博多の祭りを代表する「博多祇園山笠」は櫛田神社の祭事だ。山笠の「舁(か)き手」の男衆は、市内を担ぎまわった後、直会(なおらい)に臨む。
直会とは、祭りの後に参加者で神前に備えた酒をいただくこと。毎日の終わりにお酒や料理を囲み、飲み会が始まる。長老やベテランに酒をつい出回るのは、若手の仕事。一升瓶からコップに注ぎ、クイッと、みんなで飲み干していく。昔は乾杯は日本酒と決まっていたという。
日本酒に親しんできた博多っ子は、生酒を好む。製造工程で「火入れ」という加熱処理をせず、しぼりたての新鮮な風味が味わえる生酒。玄界灘の魚介類など、新鮮なものにこだわる博多の人ならではだろう。
そんな「博多式 Sake Style」を学んでみたい。